ポケモン
□天使と悪魔A
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「ギリギリセーフ!」
ゴールドはバタンと物凄い音をたてて教室に入ってきた。
「ゴールド今日は特に遅いな!」
「ゲームが終わらなくてさ。」
「そんなことより今日、転校生が来るらしいぜ。」
「何!?ギャルか!?」
「残念、男だってよ。」
クラスメイトと適当に話しているとエリカ先生がチャイムとともに入ってくる。
しかし既にゴールドは夢の中だった。
「みなさん、おはようございます。今日は新しいお友達がこのクラスに来ましたよ。さあ入って。」
エリカ先生に呼ばれて入ってきたのは、白い帽子を被った綺麗な顔立ちの男だった。
「はじめまして、ルビーといいます。」
にっこり笑うと女子が黄色い声をあげる。
その声でゴールドがゆっくりと顔を上げた。
そして転校生を見遣ると、目を丸くした。
「はああ〜〜〜!?おまっ……何でここにいんだよ!」
「あら、ゴールドくんと知り合いなのかしら。」
「ええ、昨日彼が溝に落ちてたのを拾ってあげたんです。」
「ふざけんな〜!」
クラス中から笑いが起こるがゴールドはルビーをきつくにらんでいた。
にもかかわらず、知り合いならやり易いだろうと席は隣になってしまった。
席につくとルビーはゴールドに『昼休みに屋上に来い』と書かれた紙を投げつけられた。
渋々了承の意を示したルビー。
「それともうひとつ大切な連絡があります。実は私、明日から産休に入ります。でも大丈夫!かっこいい先生が代わりに来てくださいました。どうぞ。」
ドアを開けて入ってきたのは水色の髪のイケメン。
またもや女子から黄色い声がとぶ。
「ダイゴです。担任の他に君達には生物を教えることになりました。臨時だけどよろしくね。」
女子は色めき立ち、男子はダイゴに嫉妬しているなか、ゴールドは見てしまった。
隣の転校生が笑って新しい先生をにらんでいるところを。
笑っているとはいっても、怒り100%な顔にゴールドは恐怖を覚えたそうだ。