ポケモン
□今も昔も
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「今日、夢みたと。」
「夢?」
ルビーの部屋でゴロゴロしていたサファイアが話し出したのは夢についてだった。
「あたしとあんたの性格が真逆だったったい。」
「……男女の在り方の見本のような夢だね。」
「……そっちの方がよかったんやろうか。」
二人の間に沈黙が走る。
二人の頭にはあの時の事件が浮かび上がっているのだ。
「……試してみようか。」
「へ?」
ルビーは立ち上がるとタンスからワンピースを持ってきてサファイアに差し出す。
「これ着てさ、劇しよ。僕はバトル大好きで正義感のある男の役、君はコンテスト大好きでおとなしい女の役。」
「何でそげんこと…」
「いいからさ。」
にっこりと笑われては断れない。
渋々ワンピースを着るとルビーはサファイアの腕をつかみ、外に連れ出す。
「な、な、何するったい!」
「外に出て遊ぼう!サファイアがいいならバトルするけどさ…」
「は?あ、そんな野蛮なことできんったい。」
「じゃあさ、森にいって木の実採ろうか。大丈夫だよ、僕が支えてあげる。」