ポケモン

□愚かな人造人間達
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※先に小ネタのホムンクルス設定をお読みください。
またレルビのような表現がありますので、嫌だと思う方は見ないでください。




リオールの街で教祖の嘘が暴露されてから数日後、教会の中にはグラマラスな女性と何か物足りない顔をした青年と教祖がいた。



「悪いわね、ルビー。」
「本当にこれっきりにしてくださいよ。こんなおっさんの姿なんか二度とごめんです。」



教祖はそういうと一瞬でヘアバンドをした少年に変わった。
少年―ルビーはかったるそうに言うとグラマラスな女性がくすっと笑う。



「じゃあ今度は可愛い女の子とかどうかしら?今回は奴が無能だったのとレッドがそいつを食べたのが原因なのよ。」
「しょーがねえだろブルー、腹減ってたんだもん。」
「グリーンさんにもそう言っときます。」
「やめろルビー!俺が怒られるじゃないか!」



青年―レッドはあたふたしてルビーを止める。
そんな様子を見ている男がいた。
彼は教祖を心酔しており、今起こっている暴動に参加していた。
教祖がいきなり別人となり、暴動が仕組まれたものであると知った彼は慌てて仲間に知らせようとしたが、刃物のように鋭い何かに肩を刺され、その場にうずくまってしまった。



「あの教祖の手下だからバカだと思って見逃してたけど、なかなか賢いようね。」



刃物のような何かはブルーの爪で、しかも長く延びている。
男は冷や汗を流しながらも、三人を睨み付ける。



「頑張りますね、彼。」
「なあブルー……食べてもいいよな。」



今にも涎が落ちそうなレッドが一応確認をとる。
ルビーは肩をすくめてブルーを見た。



「そうね、バレてもなんだし食べてもいいわよ。」



レッドは男に襲いかかり、そのまま男にかぶりつき、文字通り男を食べていく。
ルビーとブルーは暴動を眺めていた。



「ちょっと刺激してやっただけで殺し会うなんて、人間ってバカですよね。」
「そんな人間の国のトップのグリーンは大変ね。」
「グリーンさんの秘書の僕もそれなりに忙しいんですけどね。」
「あら、大総統であるグリーンと美人女性秘書は夜な夜な大総統室であやしいことしてるって噂よ。ナニしてるのかしら?」



ブルーは邪悪な笑顔と共にルビーに尋ねる。
ルビーはにっこりと笑いながら答える。



「女性の方が自然だからそうしてるだけですよ。まあ、あやしいことは否定しませんがその辺りはグリーンさんに聞いてください。」
「あらそうさせてもらうわ。」
「ごちそうさま〜」



食べ終えたレッドが二人に近づく。
口のまわりはべったりと赤い血がついていた。



「レッド口のまわりくらいふきなさい。」
「へ〜い。」
「あ、レッドさん待って!」



ルビーは服で拭おうとしていたレッドに近づき、口のまわりについた血をなめ始めた。
レッドは驚いて離れようとするが、ルビーはレッドに抱きつきそうはさせてくれなかった。
ブルーはクスクスと笑っていた。



「ちょっ、ルビー!?」
「相変わらず人の血が好きね。そんなに美味しい?」
「死体は好きじゃないですけどね、美しくないし。血はいいですよ。特に赤い血が最高です。人の生命がそこにありますから。」



うっとりとした顔でルビーが言う。
ペロペロと舐めるルビーに少しドキドキしているレッド、しかしルビーを止めはしなかった。



「ごちそうさまです。じゃあ帰ります。」
「お、おう。」



舐め終わるとルビーは帰ってしまった。
ブルーはまた暴動を見ながらポツリと呟く。



「こんなバカな人間になりたい私達の方がバカよね。」
「…行こうぜ、ここはもう用済みだろ。」



二人はその場を静かに立ち去った。
リオールではまだ暴動が続いていた。
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