SHORT
□無くならないこの想い
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あの戦いからしばらくして俺は初めて一護に会いに行った。
あんなにだだ漏れだった霊圧が感じられないあいつの部屋に行くとベッドに横になって眠る一護。
横に参考書が転がっているからどうやら勉強しながら眠ってしまったらしい。
そっと気づかれないように横に行くがこいつが霊圧がなくなったことを思いだし苦笑する。
馬乗りになり、顔を近づけてやってもいつものように顔を赤くすることも余裕の笑みを携えることもない。
ずきずきと痛む胸を握りしめ、思い付いたようにキスをする。
しかし全く反応はなかった。
「こんなサービスもうしてやんねえからな。これが最後だ。」
「………」
「今度はもうねえ。お前とはもう会わないだろうしな。」
俺が近くにいるとすぐに見つけてくれた。
抱き締めれば返してくれた。
幸せそうに見つめてくれた。
だけどそれはもう過去の話。
寝ているこいつに抱きつくと暖かくて太陽の匂いがした。
「俺はお前の体温も姿も感じられるのにお前は俺の存在すら感じられないなんてそんなの不公平だ。一護のくせに……このバカ野郎。」
抱きついてしばらくしてふと隣においてある参考書が目に入る。
そこになにか一護の字を見つけて覗きこむ。
俺はそれに目を見開き、書き足してから部屋を飛び出した。