短編

□雪遊び
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「うっわぁ〜!!」


任務もなく、のんびりした朝を迎えた真樹はカーテンを開けて飛び込んできた真っ白な景色に歓喜の声をあげた。
どうりで冷え込むと思っていたら昨晩の雨は寝ている間に雪に変わっていたようだ。


「キレイ〜!」


薄着のままバルコニーへ出れば、そこにも雪が積もっていて真樹は躊躇いなく雪に触れた。


「わっわっ!柔らかくて冷たぁ」


吐く息は白く空気が肌に刺さる寒さだ。
このまま雪で遊びたかったがひとまず室内へ戻った。











すぐに着替えて大広間へ行くと朝食を済ませた幹部達が集まっている。


「う゛お゛ぉぉい!随分のんびりだなぁ」
「雪合戦しましょう!」
「はぁ゛?」
「雪だるま作りましょう!!」


マフラーを巻き、手袋をはめて防寒体勢ばっちりの真樹。


「ねっ!」
「その前にメシ食え」
「スープ飲みました。ねっねっみんなで雪合戦しましょうよ〜!」


スクアーロの服を引っ張ってお願いする真樹。


「うしし、寒いからやだ」
「わざわざ寒ぃことするわけねぇだろぉ」
「ボクも遠慮するよ」
「私風邪気味なの、ごめんなさいね」


次々と断られていく。


「レヴィさんも・・やですか?」
「ぬおっ」
「お願い!一緒に遊びましょ」


ガシッと手を掴み、下から見上げながら真樹は懇願した。


「ぬおおぅ、真樹ぃ!」
「きゃあっ!?」


何を勘違いしたのか、レヴィが鼻息を荒くして真樹に覆いかぶさってきた。


「う゛お゛ぉぉい!何しやがる!!」


ベルが真樹を引き寄せ、スクアーロがレヴィを蹴り飛ばす。


「油断も隙もねぇ」
「変態タコ」
「びっくりしたぁ」


吹っ飛んでいったレヴィは壁に激突して落ち悶えているが全員で無視。


「私は一緒に雪合戦をしたかっただけで、レヴィさんは何がしたかったんですか??」
「変態はやめとけぇ真樹、貞操の危機だぞぉ」
「・・・・・」


となると誰も遊んでくれないということになる。
ボスを見るがまったく興味なしと言った表情だ。


「いいですよ〜1人で雪だるま作るから」


真樹はちょっとふて腐れて大広間を出ていった。










「何よぉ、みんなまだ若いのに。雪見るとテンション上がるのは私だけ?そりゃあ寒いけど・・・。よし!1人でも大きな雪だるま作るぞぉ」


庭で1人寂しく気合いを入れて雪だるま製作に着手した真樹だった。
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