短編

□剣技に惚れてる 4
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翌日、仲間と朝食を取っているとスクアーロに呼び出された。
しっかり食べ終えてから向かう。


「失礼します、お呼びですか」
「遅ぇ」
「すみません」


ドアの前に立っていると手招きされる。
けど行かなかったらスクアーロの方が近寄ってきた。


「昨日のことは覚えてんだろうなぁ」
「寝たから脳内すっきり、忘れた」
「う゛お゛ぉい、ふざけんな」


この人は時間関係なくうるさい。


「一応覚えてるよ」
「付き合うんだろうなぁ」
「好きでもないのに付き合うわけないでしょ」
「オレは好きだ」
「・・・。さて、今日の任務の計画は立ちました?会議始めよう」
「話そらすな」


っち、面倒な!そしてしつこい。
さすがボスを8年も待ち続けて、願掛けで髪を無駄に伸ばせるはずだ。


「付き合う気はない!しつこい男は嫌い!!」
「・・むぐっ」
「剣技には惚れてるんだからそれだけで満足でしょ。ほら、会議」


スクアーロはムスッとした顔をして、言い足りなさそうにこちらを見たまま動かない。
面倒な上司をどうしたもんかな?


「剣を持ってない時もかっこよかったら惚れるかもしれない」
「!!!」
「だからしっかり会議しろ」
「よ゛し」


動き出した。
単純なんだね、やっぱり。


スクアーロははりきって任務内容を話し出した。
かっこよく見せてるつもりだろうか?
私にはかっこよく見えないが・・・。

あぅ、所々で「どうだオレ!」みたいな顔してこっちを見ないでほしい。
残念さが増すから。

戦場ではあんなにかっこいいのに勿体ない。
いい感じの距離感で付き合っていければ私は満足なんだから、諦めてもらわないと。

作戦会議に耳を傾けながら、どうやって諦めさせるか考えた。

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