Non lasciare il mio lato (俺の傍から離れるな)

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アジトでおとなしく待っているとスクアーロさんがやってきた。

たいしたことないけど、擦り傷を負っていた私に駆け寄ってきていきなりの抱擁。
続いてキス。
しばらく離してくれなかった。


「本当にビックリしました」
「無事でよかったぜぇ」
「私情報なんて持ってないし、殺してもねぇ」
「俺へのあてつけだろぉ」
「そんな理由ですか」
「今まで俺が本気で惚れる女はいなかったからなぁ、弱点になると思ったんじゃねぇかぁ」
「・・・弱点になってますか私?」
「いいや」


ギュッと抱きしめられている腕に力がこもる。


「心配かけてごめんなさい」
「謝る必要はねぇ、巻き込んだのは俺だからなぁ」
「確かに巻き込まれたけど、スクアーロさんが危険人物だとわかっても一緒に居たいと思ったのは私なんだから」


あの危機感が私は嫌いじゃない。


「これからスクアーロさんはどうするんですか?一緒に居てくれるの?」
「奴らを叩き潰す。すぐに済むからお前はここにいろぉ」
「ここはセキュリティが凄いですね。あぁそうだ!私の部屋爆発しちゃって、真っ黒ですよね?持ち出せるものはないだろうけど、私の立場どうなってますか?」
「素性が出ねぇように情報操作してある。会社の方も上手く誤魔化しといてやったから」


どう誤魔化したのかすっごく気になるんですけど・・・。
でもこんな大事を説明もできないし、これでよかったかも。


「スクアーロさんってなんでも出来るんですね」
「お前の顔が知れ渡ったら後で面倒だからなぁ、それと」
「それと?」
「俺の女に手を出したらどうなるか、見せしめにしてやる」


あっ、悪い顔だ。


「もしかして、私これで表の世界とさよならですか?」
「・・・・・」


なんでそこで黙るの!?


「なんかスクアーロさんの思惑に嵌っていくような気がする」
「そうかぁ」


スクアーロさんは楽しそうに笑っている。
チュチュっとリップ音を鳴らしながら首筋にキスをしてきて舐められた。


「ひゃっ、何してるんですか」
「他に傷がねぇか調べてんだろぉ」
「ありません、ちょっどこ触って」
「本当に無事でよかったぜぇ」


ずっと離さない両手の力が緩むことはなく、私が思っていた以上に心配をかけていたんだとわかった。


「大丈夫ですよスクアーロさん。ビックリはしたけど、部屋に違和感があって爆発避けられたし、刀か代用品さえあれば負けませんから。普通の女より強いです」
「あ゛ぁ、そうだなぁ」


強いと言っても普通と比べればのレベルだろうけど。
スクアーロさん達とは次元が違う。

それでも必要以上に心配かけたくなかった。
私のことでスクアーロさんを危険に晒すことになるのが1番嫌だ。


「・・・1つだけ聞いていいですか?」
「なんだ」
「もし、ですよ。私が敵に捕まったとして、その場合、私は迷惑かけないように死を選ぶべきですか?」
「おまっ」
「それとも何がなんでも生きなきゃダメですか?」
「決まってんだろぉ、死んだら何も得るもんがねぇぞぉ。お前がどう思おうとお前は剣士だ、俺が認めてやる」
「私は剣士じゃなくて会社員」
「諦めずに生きろ!お前が全力で戦ったんなら死んでも許してやる」
「厳しいですねスクアーロさんは。まっでも、頑張ってみます!だからその時は早く助けにきてくださいね」
「絶対に行ってやる」


相手が裏のプロなら私が頑張っても勝てないと思う。
それでも私を剣士だと認めてくれたスクアーロさんに恥じないような死に様は考えてみよう。



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