Non lasciare il mio lato (俺の傍から離れるな)

□9 鮫
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茉姫の勘違いで別れ話が出たがそれも落ち着いた。

俺は西地区での任務を片付けるためにこっちに居るから茉姫とはあれから会えてねぇ。
茉姫も忙しいらしく残業が続いているとメールにあった。
帰って早々、俺が用意したマンションに引っ越せと言ったのに荷造りが面倒だとか抜かしやがってまだセキュリティのない部屋にいやがる。

あいつが勘違いした情報屋の女が不穏な動きを見せ始め、俺は茉姫に被害が出る前に食い止めようとした。

だが敵もバカじゃねぇ。
先手を打っていた成果はあったが、敵の一部が東地区に潜伏していることを突き止めた。

先にルッスーリアとマーモンを茉姫のところへ向かわせる。
俺も急いで東地区へ向かうことにした。






向かっている間に部下から嫌な報告が入ってきた。
茉姫は会社を出て帰路につき、アパートへつく頃だ。

茉姫を狙う連中。
俺ではなく女を狙ってくるカス共!



ピピピピッ



携帯が鳴った、相手はルッスーリアだ。
のん気な声がムカつく。


『もうすぐ着くわぁ』
「早く確保しろ!!」
『でも爆発物があるかもって本当なの?』
「とにかく急げ!!」


手段を選ばない奴らなら周囲への被害なんて考えねぇ。
確実に茉姫を仕留める方法をとってくるはずだ。


だぁぁぁ、なんで繋がんねぇんだぁぁぁ!!
あいつはどこに電話してやがる?


何度も茉姫の携帯に連絡しているのに繋がらない。
もしかしたら妨害電波が出ているのかもしれない。

用意周到に茉姫の暗殺計画は進んでいた。
それでも何度もかける。


う゛お゛ぉぉぉいいい、使えねぇぇ!!
お゛っ!!繋がった。


『茉姫、すぐに家から離れろ!!』
「えっ!?」




ドッゴオォォォーーーーーーーン




茉姫の声を聞いたのもつかの間、物凄い爆音が聞こえて携帯が切れた。
ツーツーと無機質な音だけが聞こえてくる。


「う゛お゛ぉいい、茉姫!茉姫っ!!」


返事はなかった。
何度かけなおしても繋がらない。


う゛お゛ぉぉぃい、ふざけんなぁ!!!!


「もっと早く飛べねえのかぁぁぁ!!」
「もっ申し訳ありません」


ヘリコプターの操縦者を後ろから小突く。
爆音が聞こえて、携帯が切れて、・・・・・最悪な想像しか浮かばない。

嘘だろう・・・、いやそんなはずねぇ。
あいつは大丈夫だ、ルッスーリア達が助けてるはずだ。
そうだ、ルッスーリアだぁ!

かけるが繋がらない。


「う゛お゛お゛ぉぉいいい!っざけんなぁぁ!!」


使えないカスばっかかぁ!
茉姫はどうなった?
まさかっ!!・・・いや、ありえねぇ。あいつは大丈夫だ。

ルッスーリアにも繋がらず、苛々と心配は増すばかり。

大丈夫だ、茉姫は生きている。
大丈夫だ!!


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