Non lasciare il mio lato (俺の傍から離れるな)
□8 鮫
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発車のベルが響く度に周囲に目をこらして見るが茉姫の姿はない。
くっそ、もう東地区に帰っちまったのかぁ?
んなわけねぇ、まだこっちにいるはずだ。
階段傍のドアを眺め、駆けてくる者はいない。
っと、後ろで「わっ」と小さく声がした。
振り向くと、転げそうになりながら茉姫が閉まりかけたドアに向かって行くところ。
「いやがった!!」
「ひゃあ!!」
どこに隠れていたのか?
挟まれることもなくドアは閉まった。
ふざけんなぁぁ!!
俺は駆け寄って思い切り窓を叩いた。
「てめぇ、降りやがれ!」
窓の向こうで俺を見ていた茉姫の姿が隠れる。
このっ!!
新幹線は走り出し、一緒に足を進めた。
「なっ!危ないですよ」
「次の駅で降りて待ってろぉ!!」
「嫌です」
はっきりと睨みながら言われ、新幹線は駅から遠ざかっていった。
新幹線を追うのは難しいことじゃないが、警察沙汰は極力避けたい。
線路を走るわけにはいかねぇ。
「う゛お゛お゛ぉぉいい!!俺から逃げられると思うなぁぁ!!」
駅を出て、待機させておいた車に乗り込む。
部下を後ろに追いやり俺が自分で運転した。
次の停車駅に先回りすればいいだけのことだぁ。
かなりのスピードでとにかく次の停車駅へ急ぐ。
絶対に行かせねぇ。
一度も信号で止まることなく最短距離で次の停車駅についた俺。
警察沙汰はまずいと一応思っていたが、・・・まぁこれくらいなら問題ねぇな。
「処分しとけぇ」
遠くにサイレンの音が響いている。
もうじき警察が追ってくるな。
部下に車の処分を命じて、構内へ急いだ。
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