Non lasciare il mio lato (俺の傍から離れるな)

□4 鮫
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休みが明けての月曜日。
俺の受け持つ任務は終わった。

任務さえこなせばあとは俺のプライベートタイムだ。
行き先はもちろん茉姫の家。

1ヶ月以上振りに家へ行けばまだ茉姫は帰ってきていない。
連絡は入れてないが、もうすぐ会社から帰ってくるはずだなぁ。

合鍵で部屋に入り、1人くつろぎながら帰ってくるのを待つことにした。











・・・遅ぇ。
もう23時だぜぇ、なんで帰ってこねぇんだ茉姫は。

寄り道してやがるのか?!
俺が待ってやってるのに、ふざけたことしやがる。
美味いと言っていたから飯も作ってやったのに・・・。

冷めた料理をもう1度温め直して、キッチンに立っていると足音が聞こえてきた。
ガチャガチャとノブを回す音がしてチャイムが鳴る。

何をしてやがるのか知らねぇが、さっさと入ってこい。
いつまでも様子を窺っている茉姫に苛々して、俺がドアを開けた。


「遅ぇ!!」
「スクアーロさん!?なんで?」
「さっさと入れぇ」
「はい」


てめぇの家だろうがぁ!
世話かけんな!














温めた料理を器に盛っていると、着替え終えた茉姫がソファに座った。


「あのどうやって入ったんですか?」
「鍵で開けたに決まってんだろぉ」
「鍵って・・・いつの間に合鍵作ったんですか?私あげた記憶ありませんけど」


貰ってないが、合鍵がないと不便だろ。
まぁ、鍵があっても俺には関係ないが毎回壊すわけにはいかねぇしな。


「・・・ほら食べろ」


説明するのは面倒だし、まぁいいだろ。


「お前が早く帰ってこねぇから」
「早く帰ってくるなんて約束してません。私だってお付き合いがあるんです」


付き合い?


「男じゃねぇだろうなぁ」
「・・・会社の人です」
「男だったら許さねぇぞぉ」


てめぇまだ懲りてねぇのか!?


「・・・あのっ!はっきり言っておきますけど、私とスクアーロさんは付き合ってるわけじゃないし束縛される理由がありません・・・だ、から」


う゛お゛ぉぉいい、付き合ってないだと?

茉姫を睨みつけて近付いていくと、窓際まで後ずさった。
こんな狭い部屋で逃げ場はねぇぞぉ。


「俺は言ったはずだぁ」
「何を?」
「お前に惚れた。お前は俺の女だ、束縛して何が悪ぃ」
「そんな勝手な。私は納得してませんよ」
「なら納得しろぉ」
「無理です!」
「てめぇっ」
「お付き合い始まってないのに」
「なら付き合えばいいだろぉ、ってもう付き合ってんじゃねぇか!」
「えぇ!!これ付き合ってたんですか?勝手に押しかけてるだけなんじゃ」
「う゛お゛ぉいい!!どんだけ鈍いんだぁてめぇは!!」
「すみませんね鈍くて、わかりませんよ」


告白して、連絡もまるべくこまめに取って、SEXしてるのに付き合ってねぇとほざきやがるのか。
こいつは、どうしたら理解しやがるんだぁ?
鈍いにも程があんだろ。
お゛ぉ、睨み返してきやがった。


「・・・はぁ、この俺にそれだけ言いやがるとは、可愛くねぇ」
「どうせ可愛くありませんよ、なんでスクアーロさんは苛めるんです」
「苛めてねぇぞぉ、お前が俺を信じないだけだろうが」


ったく、この俺がここまで優しく接してやってんのに、こいつは・・・。
腰を下ろして、茉姫の頭を撫でながらどうしたもんかと考える。


「・・・本当なんですか?」
「あ゛ぁ?」
「本当に私のこと好きなんですか?」
「何度も言ってんだろうが!」


まだ確認すんのか?


「・・・なんで?どこを好きになってくれたんですか」


はぁ?
好きになるのに理由がいんのかぁ?
惚れたでいいじゃねぇか。
・・・でもこいつは納得してない顔してやがる。


「・・とりあえず座れぇ、食ってから教えてやる」
「うん」
.
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