Non lasciare il mio lato (俺の傍から離れるな)

□1 鮫
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その日は任務が入っていた。
さっさと終わらせて帰るつもりだったが思ったより手強い奴がいて、不覚にも怪我しちまった。


「っくそ」


まぁ、全滅はさせてきたがなぁ、この俺がやられたままいるわけねぇだろぉ。

少々痛む腹を押さえて雨の降る暗闇を移動した。








雨で体が濡れたせいもあって傷が痛む。
止血する場所を探そうと、塀から細い裏道に下りた。

やべぇ、けっこう深くいっちまったかぁ。
足元がふらついて膝をついちまった。


「・・・あの・・、」


背後から声が聞こえて俺は振り向く。
万が一敵だったら面倒臭ぇ。


「なんだぁ、てめぇ」
「・・いえ、なんでもありません。じゃ私はこれで」


声をかけてきたのは警戒心のない声からして若い女、暗いから顔はよくわからねぇが。
でも何も見なかったかのように素通りしようとしやがったから腕を掴んで行かせなかった。


「ひゃっ!?なっ何??」
「行けると思ってやがんのかぁ」
「何も見てません!私喋りません!じゃそういうことで、さようなら」


やっぱり何も見なかったことにしてやがる。
・・・んっ、こいつの顔。


「う゛お゛ぉい、待てぇっつ」
「・・ん?」


こいつ!!


「どこか怪我してるんですか?救急車を」
「いらねぇ!」


救急車なんぞ呼ばれてたまるかぁ。
それよりこの顔、間違いねぇ!
あの女だ!!

俺を見て怪しんでるのは仕方ねぇ。
でもこのまま行かせるわけにもいかねぇ。


「私のこと殺さないっていうなら怪我の手当てしますよ」


俺が黙ってると女の方から折れた。


「・・・・・」
「家すぐそこだし」
「・・・案内しろぉ」


こんなチャンスはねぇ!
女に支えられるような格好で女の棲むアパートに連れ立った。
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