LL自警団

□ストーカー事件
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(シュウジ)「エミ!どうにかしてくれ」
(エミ)「さすがに私一人じゃこの人数はきついわよ」



(マサヤ)「うぎゃあ!」



雅也はいかつい長高生に殴られて、簡単に気絶してしまった。


(アカネ)「あかん、雅也使えんわ」
(ヨシノリ)「見かけ倒しって、こういうのを言うんだね」


(ユリエ)「皆、この人達は牙って呼ばれてる長高の不良集団だから...怪我しないように気を付けてね。って言っても、無理な話よね」


友里恵はそう言うと、帰っていってしまった。


(エミ)「ちょっと待ちなさいって...友里恵ちゃん!!」
(シュウジ)「とにかく..まずはこの状況を何とかしねえと!」
(ヨシノリ)「でも、どうするのさ!?今戦力になるのはエミぐらいだよ!?」
(シュウジ)「今考えてる!」



しかし、不良達は待ってはくれない。4人に掴み掛かってきた。

だが、しかし


エミの鉄拳が冴え渡るので、牙のメンバーも迂濶には近寄れない。


(不良)「なんだこいつ!?動きがやたらキレてやがる」
(シュウジ)「よし!!良いぞエミ。その調子だ、ヨシノリとアカネは援護に回るんだ」
(アカネ)「シュウジ、お前は何もしいひんのか!?」
(エミ)「こいつに期待しても無駄よ。いつものことじゃない」



エミはいつの間にか、牙の連中の2人をのしていた。

しかし人数の差によるものは大きく、徐々に均衡は崩れてゆき、ついにアカネが牙の連中に捕まってしまった。



(エミ)「アカネ!!」
(不良)「うへへ...あんた良い体してんじゃねえか」
(アカネ)「ちょっとやめ!!あかんあかん...嫌やー!」


その時、アカネに触ろうとしていた不良が吹っ飛んだ。


(アカネ)「.........?」



アカネの後ろには、吹っ飛んだ不良の代わりに、体格の良い長高生が立っていた。



(不良)「何しやがんだ、てめ........!?」


先ほど吹っ飛ばされた不良は凍り付いた。

同様に他の牙のメンバーも、その場で立ちすくんでいた。



(シュウジ)「リュウヘイ!」
(リュウヘイ)「おう、待たせたなシュウジ」
(シュウジ)「ん?」
(アカネ)「うちが呼んどいたんよ」
(シュウジ)「なんだ、そうだったのか」
(リュウヘイ)「まぁ、後は俺に任せな」



リュウヘイは首をポキポキと鳴らすと、不良達を一睨みした。



(不良)「おいおい...冗談じゃないぞ、鬼の龍平とやりあうなんて、命がいくらあっても足りねえよ。小高のお嬢さんには悪いが、ここは引かせてもらうぜ」



牙のメンバー達は、あっという間にいなくなってしまった。



(ヨシノリ)「流石だね、リュウヘイの前じゃ、あいつらも可愛い子猫ちゃんだ」


ヨシノリは感心したように言った。







翌朝



友里恵が何事もなかったような顔して登校してきた。

そこへ


(エミ)「....友里恵ちゃん」


友里恵は驚いた。


(ユリエ)「そんな、まさか牙を潰したって言うの!?」
(エミ)「そんなことより、自分の心配した方がいいんじゃない?私、昨日の件で仲間が傷つきそうになったこと、すごく怒ってるから」
(ユリエ)「.....!!」



友里恵の顔が青ざめていく。



そこへ、エミの右ハイキックが襲い掛かる。



(ユリエ)「!.........??」




エミの右足は友里恵の顔の脇で止まっていた。


(ユリエ)「どうして?私はあなたに蹴られても仕方がないことしてるわ...」



エミは足をおろすと、ため息をついて言った。


(エミ)「私...友里恵ちゃんの気持ち分かるよ。」
(ユリエ)「.....嘘よ!」
(エミ)「嘘じゃない!!........嘘じゃないよ。もしね、私が友里恵ちゃんと同じことになったとしたら、私もそいつに酷いことしちゃうと思う。...だけど、それじゃあ解決にならない。自分の心にだって、いつまでも後ろめたさがのこるわ。だから...その事実を受けとめて、前向きにいこうとする気持ちが大切だと思うの」



(ユリエ)「でも私...皆にまで迷惑かけて...」


友里恵の目には涙が見えた。


(エミ)「そんなこと別に気にしてないわ。さっきのは嘘よ。ほら、ホームルーム始まっちゃうよ」


エミは友里恵の手を引いて歩きだした。










(ヨシノリ)「これで一件落着かな?」
(シュウジ)「まぁ、そうゆうことだろうな」







今日もLL自警団は学校の為に大忙し。



『ストーカー事件』終わり
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