chocolate

□海松《みる》
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「スゲーじゃん、比呂」
「やるなー、でも、俺らもバックれてたワケじゃねーんだぞと」


ローリングスルー(パドリングしながら波を潜り抜ける)をした仲間達は、次の波に乗った。


俺からして見ればまあまあだけれど、本人達は満足しているようで、得意気な顔になる。


ひとしきり波に乗り、浜に戻ると皆の彼女が弁当を差し出して来た。


「食べてー」
「ほら、栄養つけてよぉ」
「ブロッコリー嫌い? えー」


高校3年生でサーフィンをやってたら、彼女には事欠かない。


でも、編入して来たばかりでそうした存在は居なかった。


寂しいが、いつかまた彼女位簡単に出来るとタカをくくっている。


「お前は? 昼メシ無いの? 」
「ねえよ、お前らみたいに優しい彼女が居ないからな」


リーシュコード(板と足をつなぐコード)を外し、ウェットスーツのまま浜を出た。


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