chocolate
□Enpty glass
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私も仕事をしているのに金曜日の深夜まで起きているのは辛いけれど、彼が戻るまでは……。
だけど待てなかった、ユサユサと体を揺さぶられて目を覚ましたのだから。
「景」
「ごめんなさい、つい寝ちゃって」
慌てて伏せていたテーブルから顔を上げ、まだ三つ揃いのスーツを着た10歳年上の彼の腕の中へ飛び込む。
すると小さな笑い声が上から降って来て、頭をポンポンと二度優しく叩かれる。
「疲れただろう、後は自分で何とかするから先に休みなさい」
「ダメ、まだ食事も温めてないし」