chocolate
□芍薬
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「お! 花ですか! 」
「そう、花。何か悪い? 」
「2年前は大人のロボット工作で去年は忘年会用の全身タイツで今年は花かぁ」
「よく覚えてるね」
呆れながらも空いているすぐ近くの席へ座り、すぐに用意されたフルートグラスを手にすると、ミッチーは得意げに鼻をこする。
「今日はちゃんとシャンパンを用意したんだ」
「なんでよ? いつもスパークリングワインなのに」
「俺さぁ、来月から中国に赴任すんの」
だから今年が最後のバースデーパーティになる、と奮発したのだろう。
美味しいシャンパンを口にしながら、自慢話を聞かされる。
「今、中国ってスゲー勢いあるでしょ? だから優秀な俺をどうしても派遣したいって」
「へぇぇー優秀ねえ? 」