ケイアキ小説

□ケイスケのタイプ
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※※※

明良と一緒に帰る約束をしてるから急いで自転車小屋まで走った。
「はぁはぁはぁ…ん、はぁはぁ…あれ、明良まだ来てないのかな…」
額の汗を拭って、辺りを確認すると男子生徒が一人居るだけ。
でも背格好が明良に似てるんだよなぁ…あの白くて細い首…
後ろ向いてるからわかんないんだけど、そもそも髪の色が違うから明良なわけがないよ…な。
と思ったとたんその男子生徒が物凄い形相でこちらを睨んできた。
よく見ると
「!?…ああああ明良ぁぁぁー!?どうしたのその頭ぁぁぁぁ!!」
いつもはそんな顔に表して怒んないから一瞬誰かわかんなかった…。
でも何でいきなり黒髪になってるんだよ…。
だって朝一緒に登校したときはあのグレーのサラサラした髪だったのに。
「お前。…黒髪がタイプだったんだってなぁ〜」
「!?あっ」
郡司の奴もう明良に話したんだな…。
もう、どうやって言い訳していいかわかんない。
浮気を問い詰められてる夫ってこんな感じなのかな。
背中や頬を伝う汗がやけにリアルだ。
俺のお嫁さんは可愛いけど起こると雪の女王みたくなるから逆らえない。
「これ、郡司から送られてきたんだよ。
けいすけは黒髪の女の子が大好きなんだって、それに俺に攻められて喜んでたよ。
子猫ちゃん。だ、そうだ」
冷たい声音で淡々と郡司からのメールを読み上げていく明良。
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