ケイアキ小説
□ラクガキ。〜ケイスケの場合〜
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「どうしよう…これ消えないじゃん…」
何度顔を洗っても横線が消えない。
多少は薄くなってるわいるけどはっきりと残って明日これで仕事に行ったら
確実にからかわれる。
それだけはなんとしても避けたい。
「アキラも油性じゃなくて水性で書いてくれればよかったのに」
書いたアキラを責めるわけでもない、思いどころの違うケイスケ。
普通なら怒るところなのにアキラの意外な一面にまた惚れ直していた。
どんな顔でこれを書いたのか。
どんな気持ちでこれを書いたのか。
アキラから自分に何かをするって事がほとんどないからよけいに嬉しいのだ。
(…そうだ…)
※※※
「け、ケイスケぇぇぇぇぇぇー!!」
「アキラ、ごめんなさいっつ!!」
朝からアキラの怒声がアパートの一室から聞こえてきたのはいうまでもない。
アキラの頬には『大好き。』と油性のペンで書かれていた。
二人して大きなガーゼを頬に張って通勤し、社長や先輩にからかわれアキラの機嫌は暗闇のオーラが放たれるほど悪くケイスケは一日中びくびく
するはめになったのだった…。
終わり。