ケイアキ小説

□ケイスケのタイプ
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「ありがとうございましたぁぁぁぁぁぁー!!!」

部活も終わり汗を流そうと水道場へ行くと学ランの上にピンクの派手なパーカーを着た同じクラスの郡司が手をヒラヒラさせて話しかけてきた。
「けぇすけぇ〜。お前まだ部活なんかやてんのかよぉ〜っ!!」
甲高い独特な声が部活疲れでいつも以上に耳に響く。
前々から「剣道なんか辞めちゃえよぉ〜辞めて俺のとこに子猫ちゃんと一緒にお・い・で」と学校来る度に促してくるんだ。
「久々に学校に来たと思ったら一言目がそれってどうなんだよ」
俺は軽く笑いながら甲手を外して蛇口を捻った。
「いやぁなぁ〜お前、あの子猫ちゃんと付き合ってんのはいいんだけどさぁ〜女のタイプはどうなんだよっ。
女が紹介してくれって言うからさぁ〜一応お前の意見も聞いてやんないと可哀想だと思ってぇぇぇぇ〜っ!!俺なりの優しさなのによぉ」
「俺と明良が付き合ってるの知ってるのに何で女の子に紹介されなくちゃいけないんだよ…」
だんだん呆れてきて気を落ち着かせるために冷水で何度も顔を洗った。
「いいじゃん別にぃぃぃ〜っ。けいすけも女の味知っといた方がいいんじゃねぇの!?
…ほらよ」
「ぶっ!!」
顔を上げると郡司が俺の顔にタオルをおもいっきしあてがり、思わず変な声を上げてしまった。
カシャ!!
「痛がってる顔ゲット〜。これ相手の女に送っとくからぁ〜」
「〜っ!?おい、郡司!!俺は明良にぞっこんで俺は明良のなの!!
だから、他の子とか考えられないんだよ…」
「…っち。つまんねぇ〜のぉぉぉぉー!!つまんななさすぎんだよぉ、けいすけぇ」
「つまんなくてもいいよ、…事実だから」
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