銀色はいすくーる

□7時間目
2ページ/9ページ



「ただいま、瑠奈ちゃん」

「ただいまヨー」

『おかえり、何処に行ってたの?』

「ちょっと…制裁にね?」

『せーさい?
 (聖祭?精彩?正妻?)』

「で、どうかしたの?」



キョトン、とニッコリと笑う瑠奈に妙は問う。

すると、



『えっとね、体操服見てもらわなかったから…
 こんなんでいいのかな?』

「あら、それは御免なさいね」



フフッと笑い、改めて体操服を見てみる。

手提げを机に取り出し、中から体操服を取り出した。



「あら…」

「思ってたのと…」

「「(違うなぁ)」」

『こ、これっていいのかな?
 アメリカで使っていたものとはちょっと違うんだ』



しょんぼりとする瑠奈。

恐らく、銀魂高校の指定された体操服にものすごい疑問を抱いているのだろう。



『…ふぇ〜。
 こんなの恥ずかしいよぉ…
 それに、これを着るのがよりにもよって今日だなんて…
 貰ったばかりだって言うのに…どうしよう?』

「姉御、瑠奈ってば九ちゃん並みに恥ずかしがり屋アルか?」

「そうねぇ、九ちゃんも最初恥ずかしがってたわよ。
 でも大分慣れたみたい。
 中学の時からだものね」

『えぇ、中学って…?
 そういえばお妙ちゃん達は、中学はどこに行っていたの?』

「私たちは銀魂中よ」

『(えぇ、中学も銀魂…?!)』

「元の話に戻るけれどね………?
 大丈夫よ、瑠奈ちゃん。
 それなら問題ないわ」

『え?本当に?!
 これでいいのかな?』

「いちいち気にしなくてもいいのよ?
 全然平気よ、それで」



それを聞くと、瑠奈はパァッと明るい笑顔を浮かべる。

それを見て、妙と神楽もつられて笑みをこぼす。



「よしっ!確か、朝の内に着替えないといけないのよね。
 男子はまだ来ていないみたいだし、着替えちゃおうか?」

「そうするアル〜っ!」

『あれ、更衣室ないの?』

「まぁ、あるにはあるんだけどね?
 向こう側の校舎にあって…
 本音を言えば、行くのが面倒なのよ」



妙は窓から見える、2・3年生のいる校舎を覗いてみる。

確かに、遠くの一階には更衣室が男女ともにある。

…まぁ、妙の言う通り行くのが面倒だ。



『そ、そうなんだね。
 確かに遠いかも…』

「でも、体育のときとかはあそこで着替えるのよ?
 あの奥の方にあるから、体育館とか」

『な、なるほど!』



楽しげに会話をしながら、教室のドアを閉め、窓側のカーテンも閉める。

そして、廊下側には女子着替え中という札も設置。



「さて、ようやく着替えられるわ。
 最近は暖かくなってきたから凄く熱いのよね」

『そうだよね?
 これも、地球温暖化の影響なんだよね…怖いなぁ』

「大丈夫ネ!
 もし何かあったら、太陽ぶち壊「やめなさい神楽ちゃん」

「でも、ぶち壊すなら環境破壊をしようとする馬鹿どもをやるべきだわ。
 そうねぇ…例えば、大金使って森を壊して別荘建てようなんて考える大富豪とかどうかしら」

『い、いないでしょ?!そんな人!』

「もしくは、身近にいるゴリラとかどう?」

『(こ、近藤君っ…!
 今日は学校に来ない方がいいのかも!)』



最近、3zに馴染んだ瑠奈は大方このクラス独特の単語が理解してきているのだ。



『え、えっと…ゴリラはやめようよ。
 一応…自然の中で生きてる動物だし』

「そう?残念だわ…
 でも、瑠奈ちゃんが言うなら仕方ないわね」

『(あ、危なかったかも…)』

「そういや、まだ九ちゃん来てないヨ。
 まさかのお休みアルか?」

「そういえば…いつもは早いのにねぇ?
 どうしたのかしら…」

『エヘヘ、大丈夫だよ。
 きっとたまたま寝坊してるだけだよ〜』

「(なんでこんなに気楽アルか?!)」

「(というより、天然…)」

「「(コレが無意識ならメチャクチャ可愛い//)」」

『どうしたの?』

「なんでもないヨ!」

「なんでもないわよ!」

『………?』



再びキョトンを首を傾げ、スカートを脱ぎ体操服を着る。

ただ、普通にブルマのような感じで本人的にはとても恥ずかしいのだ。



『………うぅ、スゥスゥしちゃうよ』

「あら、しばらくすれば慣れるわ」

『そ、そんなこと言ってもぉ…』

「大丈夫ネ!私もバッチリ慣れてるヨ!」

『あ、そう…ってそれなんか違うよ!』

「え、どこがアルか?何か違うアルか?」

「どこもおかしい所なんてないわよ?」

『(あれ、ちょっと目が虚ろになってる…?)』



気になりながらも、次は制服のボタンに手をかけた。

いくつか外していった。



『よし、もうちょっと〜』

「瑠奈ちゃん、私たち先に着替えたからちょっとお手洗いに行ってくるわね」

「行ってくるヨー!」

『あ、分かったー!』



一人になった教室で、ご機嫌に鼻歌を歌いながら制服を脱ぐ。

そして、上の体操服に手をかけようとした瞬間―――



ガラガラガラッ…
「誰かいるのか?」

「何してるんですかィ、土方さん。
 今入ったら……」

『え…?』

「「………あ」」

『………えーっと』



瑠奈が着替え中の教室に、何も気にせずに入ってきた土方・沖田の2人。

因みに、少しだけボロボロ状態の土方である。

原因は言うまでもないだろう。

そして、対の瑠奈は制服を脱いだばかりで下着しか身に着けていない状況だ。



『…おはよう?』

「いや、そこは叫ぶだろ!
 て言うか早く着ろ///」

『え、どうして赤くなってるの!?
 え、え?!』

「ま、とりあえず体操服着たらどうですかィ?」

『あ、そっか!』

「いや、なんでお前は動揺しねぇンだ!」

「別に本人が嫌がってないんだからいいじゃないですかィ」

『え、嫌が…?なんで?』


.
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ