銀色はいすくーる

□1時間目
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『あっ智春、私はここで!
 そっちも気をつけてねー』

「うん!行ってくるー!」



姉弟は、公園のあたりで別れて瑠奈は、銀魂高校に。

智春は、光洋(コウヨウ)中学校へ。

それぞれ、向かった。




−銀魂高校−
『ふぅ、ここでいいんだよねっ!
 銀魂高校って書いてるし。
 えっと…入っていいのかな?
 とりあえず…行きますか!』



そう言って、学校の敷地内に足を運んだ。

しばらく歩いて、ようやく校舎に入ろうとすると、銀髪の天然パーマが印象に残りそうな、白衣の男性がこっちへ歩いてきた。



「おっやっと来たか…
 アンタが、神崎瑠奈だよな?」

『Who are you that?』

「え?ふー・・・何?」

『…あぁ!ごめんなさいっ!つい癖で…
 あの…貴方は?』

「俺?俺は…1z担任の坂田銀八だ。よろしくな。
 ちなみに神崎。お前は1zだからな。
 俺が迎えに来たってわけだ。
 まぁ、俺についてきてくれ。案内すっから」

『はっはい!分かりました!』



新品のような、校舎に目を奪われる瑠奈。

結構、創立が長かったはずだが…この、新築の校舎。

おそらく校長が、何やかんやで立て直したのだろう。

独自の推測。



『わぁ、淒い…前の学校よりも真新しいです…。
 あっ先生、あの…ここって?』

「その辺は、なんか準備室だってよ。
 ちなみに、俺は普段ここのとこにいるな」



そう言った銀八は「国語準備室」と書かれたプレートのかけられているドアを指した。



『…国語、ですか』

「まぁ、一応国語の教師だからな」

『へぇ…って、一応!?』

「よし、じゃあ俺が呼んだら入ってくれよな」



そして、ガラガラガラ…とドアを開けてペッタペッタという足音を出しながら、ギャーギャー騒ぐ教室へ入っていった。

その騒ぎ音には、求愛のような声も聞こえるし、なんか殺人をしているような音。

そして、雑音の中には「タコ様ウィンナー」とか「格言」とか…何を話しているのだろうか。

更には「死ねェェェェ!」とか「テメェが死ねやァァァァァ!」という怒号も。

ちょっと不安になってきた瑠奈。


―――もしやこの学校、果てしなく荒れてる学校ではないのだろうか?



『(だ、大丈夫なのかなぁ?一応、お母さんの進めてくれた学校だけど…
 段々不安になってきましたっ…)』

『(先生、平気なのかな…?)』



だが、そんな状態で「入ってこーい」という声。

気付くと、静まり返った教室。

心臓が高鳴る中、唾を飲み込んでドアを開ける。

そして、銀八先生の隣まで歩いてクラス一帯を見渡す。

かなり、個性的な人が多いがそこは気にしない。


しかし、あまりの緊張で日本語で話す事を忘れてしまった瑠奈は…



「よぉし、今日から俺の彼女の神崎瑠奈だ!
 誰も手を出したら駄目だからな!
 よーし、連絡終わり!」

「いや、何勝手に決めてんすか!つーか、違うでしょ!
 ていうか、連絡それだけですか!早いでしょ!」

『What?!・・・ Am I her of you?』

「チッ、じゃあ改めて・・・神崎、よろしくな。
 つーか、英語になってんぞ」

『あー…えっえっと…あのっ!
 It will study together in this class today!
 I am ##NAME4##! My best regards!』



シーンとなる1z。

その静けさが、なんだか「あれ?変なこと言っちゃったけ?」と心配になる。

だがしばらくして、ワァァッ!と歓声が起きた。

中には、「俺と付き合ってくれぇ!」なんてのもあったが…そういうのは、気にしない瑠奈。

ていうか、英語で話しているのに誰もつっこまない。



「えっとだなぁ…あそこな。
 ぱっつあんの隣の…あれ。
 席開いてなかったっけか?」

「オイ、俺がいるだろうがっ…」

「あーそっかそっか。
 大串君がいた「俺は大串じゃねェ!」」

『(こっこの人…怖いです!)』

「私、神楽いうヨ!よろしくアル」

「僕、志村新八です」

『My best regards!』

「私は志村妙って言うの。
 新ちゃんの姉なの、よろしくね。
 ていうか、日本語喋れるかしら?」

『あっ御免なさい!よよろしくお願いしますね。
 えっと…すみません、先週までアメリカに滞在していたものですから…
 つい、緊張したら…こうなっちゃうんです』

「あれ、それじゃあアメリカ人って事ですか?」

『いえ、日本人なんですけど…
 両親があちこち回ってるものですから』



それから、自己紹介会が開かれるところだったが…

そこは、ツッコミマスィーンの新八が止めた。

そして、今日の授業が始まる。


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