銀色はいすくーる
□HR
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−銀魂高校/金曜日(Friday)−
「おーい、席に着けー」
彼は、1z担任の坂田銀八。
甘党で、授業などヤル気のない先生だ。
ジャンプをこよなく愛する読者の一人でもある。
特に、仕事中といってもレロレロキャンディを常に携帯している。
授業でも、平気でそれを食べている人なのである。
「先生、今日は異様に遅かったですね」
彼は、志村新八。
1zには、なくてはならないツッコミマッスィーンだ。
因みに、特性は地味。眼鏡。ツッコミ。常識人。
「あー転校生が来るんだってよ」
「マジでかァ!女の子アルか、男の子アルか?」
彼女は、神楽。
中国からの留学生。授業でも、登下校でも食べ物は欠かせないものとなっている。
特にこよなく愛するものは、酢昆布だ。机には、非常食と要して酢昆布が、入っている。
語呂が悪いが、酢昆布ラーなのである。
……やはり語呂が悪いので、暴食魔人とでも言っておこう。
「あぁ…一応な、帰国子女らしいぜ」
「あら、帰国子女って…
何処の国から帰ってくるんです?」
彼女は、志村妙。新八の姉だ。
とても、綺麗な娘だが……その怪力さなどには見た目からは、到底考えられないほどの恐ろしさを有している。
そして、彼女の作る料理は殺人的…だが、その容姿さ故に、ストーカーもいる。
「えっとだなぁ……名前の方は英語で描かれてんだよな。うん」
「英語?けど、帰国子女の名前ならローマ字みたいなものでしょ?
教師なら先生分かるでしょ…」
「バッキャロー、読めるけど…よ。
うん、読めるよ?これぐらい!」
「さっさと読めヨ」
「わーってるよ!
…えっとだな、アメリカから帰ってくるらしいな。
それから、両親は海外旅行に行くからって弟と2人暮らしらしい…それから………」
『ふぅーっ!
ようやく、東京に着いたかも…』
「着いたかもっていうか、着いてんだけどね。
それより、今度はどこまで行くの?」
『えっとね……うん、こっちだよ』
そう言って、どんどん進んでいった。
まぁ、地図ぐらい読むのは苦手ではないのだ。
空港からバスに乗って1時間。
歌舞伎町に到着し、バス停から降りる。
更には、そこから30分歩く。
すると、大きなマンションが見えた。
見た目からして高級マンションのようだ。
「うげっ…母さん、こんなとこ購入したのかよ」
『まぁ、一応お金はあるからね…家は』
「しかもパス式になってるし…
あれ、そういえばそういうのって聞いたっけ?」
『んー…多分、この紙に書かれてるかなって思うんだけど…』
「…あ、姉ちゃんの名前だ。コレ」
『…やっぱり、そう思う?』
さっきから気になっていた自分の名前。(英語で)
まさか、とは思っていたけれど…自分の名前がパスワードなんてちょっと恥ずかしい。
そりゃそうでしょ?嫌でしょ!?
「………とりあえず、やってみれば?」
『そそそ、そうだよね…これしかないみたいだし』
−パスワード確認−
………………………
−認証されました−
「『……当たった』」
『これ、変更できるよねっ!』
「うん、そうだよな…多分」
そこから、マンションの管理人さんに挨拶して鍵を受け取り、パスワードもきちんと変更した。
あんなの、恥ずかしいもの。
『うわぁー本当に、私物届けてたんだ…
ていうか、日本に居たころの物ばかりだね』
「まぁ、元々これとかが必要だったんじゃん。
いいじゃん、別にさ」
『…智春はマイペースで羨ましいよ。
私なんて、あっち(アメリカ)とかに置いてきたものが急に必要になってきちゃったもん…』
「マイペースじゃねぇよ。なんだよ。
俺だって…まぁ、姉ちゃんと一緒だし」
『あーもー可愛いこと言うなー』
私は思いっきり智春に抱きつくが、すぐに避けられてしまう。
あれ、いけなかったかな?
智春は顔を真っ赤にしたまま、部屋の片付けをし始めた。
「…さっさと、片付けちまおうぜ。姉ちゃん」
『あ、そうだね!いけないいけない…
そういや今日って、土曜日…だね。
銀魂高校の人達も、ここのマンション使ってるんだって。
一部の人達だけどね?』
「………へぇ」
『?』
…さっきから、妙に表情変わりやすいんだね。
智春って……
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