銀色はいすくーる

□5時間目
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「んじゃ、とりあえず銀魂高校にある委員会を黒板に書くから。
 ちょっと待ってろよー」



カツカツカツ…

しばらくチョークの音が鳴り響いた。

そして、5分ほど経つ。

黒板にはいろんな委員会の名前が書かれていた。



・生徒会(演説会有)

・風紀委員

・文化委員

・整備委員

・保健委員

・広報委員

・図書委員

・体育委員

・選挙管理委員

・動物愛護委員



「………で、どれにする」

「あの…最後の「動物愛護委員」ってなんですか?
 つーか、そんなの必要ないんじゃないんですか?」

「いやな、ウチの校長がバカでよ?
 動物たくさん飼ってるんだわ。
 んでもって、それがあまりにも多くて」



委員会が出来ちまったって事だ。

ダラッダラと話す銀八。



「…そ、そうですか」

『でも、動物愛護って素敵だよね!』

「それもそうですね」



さっきまで、あきれ顔だった新八の表情が嘘のようにサッと変貌する。



「おーい、新八君?何その豹変ぶり」

『でも、やっぱり広報委員が良いかな?私は』

「僕は何にしようか……」

「オイ、一番近い席なのに聞こえねェの?」

『ねぇねぇ、一緒にやらない?
 新八君となら、ちゃんとやれる気がする!』

「えっ僕なんかでいいの?」

「オイ、駄眼鏡!
 人の話を『せんせー!広報委員、私と新八君でいいですか?』
 ………他の奴らーいいか?」

「「「「「「駄目に決まってんだろ!」」」」」

「…だ、そうだぞ。新八」

「えっ!ちょ……
 他の人の意見って必要なんですか?!」



新八はクラスの大半の男子に拒否されて戸惑う。

そりゃあ、美人の転校生が来て話す機会のある委員会を地味な奴に取られては困る。

けど、新八だって負ける訳にはいかない。



『(なんで駄目なんだろう…
 あ、あの人達もやりたいのかな?
 そんなに人気なのかな、広報委員って…)』

「先生、私は文化委員がやりたいです」

「俺は風紀委員に入ってます!
 先に書いといて下さい!」

「せんせー!私は無委員会がいいアル」

「ならオメー挙手するんじゃねぇよ!」

「先生、僕は動物愛護委員をしたいんですけど…
 いいですか?」



突然、後ろの屁怒絽が……いえ、屁怒絽様が挙手をした。

全員ビクッと震えあがって…



「「「「「…だ、大丈夫ですよ。屁怒絽…様」」」」」

「あれ、皆さん……顔色が悪いですよ?」








「とりあえず……っと」



・生徒会(演説会有)

・風紀委員 ゴリラ

・文化委員 志村姉

・整備委員

・保健委員

・広報委員 神崎

・図書委員

・体育委員

・選挙管理委員

・動物愛護委員 屁怒絽様



「……で、いいな。
 よし、残りは誰が……やるんだ?」

「あの…多分動物愛護委員って誰も入らないんじゃないですか?
 屁怒絽く…屁怒絽さんが入ってるし」

「まぁ、あまりで入ってもらうしかえぇよ。
 最低でも男女計2人は入って貰わにゃ」

『神楽ちゃん、本当に入らないの?』

「私、帰って寝るのが仕事アル」

「先生、俺ァ近藤さんと一緒に風紀委員に入ってるんで」

「あーそういやそうだったな。
 先に入ってたんだっけか……っと」

「分かったネ、私地味〜なヤツに入るアル!
 ……銀ちゃーん、その選挙なんたらってのは何アルか?」

「生徒会の立候補者とかの…あの、あれだ。
 票をまとめたり、演説会の進行とかするヤツだ。
 まぁ、それ以外ないから楽っちゃ楽だ」

「ほほぅ、ならそれをやるネ!
 一番楽そうアル!」

「りょーかい」



そして、更に付け足す。


・生徒会(演説会有)

・風紀委員 ゴリラ・総一郎君・大串君・ジミー

・文化委員 志村姉

・整備委員

・保健委員

・広報委員 神崎

・図書委員

・体育委員

・選挙管理委員 神楽

・動物愛護委員 屁怒絽様



「あ、あの………先生。
 僕は広報委員…で」

「あ?皆の了承得たのか?」

「いや!他の皆は、了承得ないで入ってるじゃないですか!」

「…ったく、めんどくせぇなオイ」

アンタそれでも教師!?

「先生、私は保健委員に入ります!」



次に挙手したのは、猿飛あやめ・通称さっちゃん。

そして、銀八ははいよー、と適当に返して黒板に向き合う。



「あ、あの……
 それじゃ他に広報委員したい人って誰なんですか」



新八はおどおどしながら、クラス中に声をかけた。

すると、大半の男子が挙手。


唖然とする新八に、瑠奈は―――



『(うーん、折角新八君とやれると思ってたんだけど…
 他のにしたら、大丈夫なのかな?
 でも…うーん)』

「あ、あの……もういいです。
 僕図書委員しますよ」

「おっ最も地味な委員会に入ったな」

「世界中の図書委員会に謝れ!
 意外と人気なんだぞ!」

『せんせー!
 やっぱり、私も図書委員でいいですか?』

「「「「「「「(なっ…何ィ!?)」」」」」」」

『これなら、一緒にやれるよね?』



突然の瑠奈の行動にクラス中の人と、新八が驚く。

しかし、ニッコリと笑ってくる瑠奈に、今更ながら何も言えず―――



「えっ?あ……うん。
 でもいいの?折角広報委員やれたのに」

『うーん、でも新八君とする方が…』

「(えっ何?!この展開!
 まさか…………まさかっ!)」

『一番話しやすいから、他の人より。
 それに、相談しやすいからね』



ニッコリ笑う瑠奈。

新八、ノックダウン。


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