*流れ星*
□線香花火
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夏の天気は変わりやすい。
今日もいきなり夕立が来る。
そして恋もいきなり来る。
【線香花火】
「やべっ!降って来やがった!」
夕立が来ると俺は近くの家に雨宿りしに走った。
しばらくすると扉が開き、綺麗な女性が出てきた。
「良かったら入って下さい。風邪引きますよ?」
「……。」
惚れた。
吸い込まれる様に俺は家に入った。
「はい、タオル。」
「ありがとうございます。」
タオルを受取りボーっとして口を開いた。
「あの…」
「何?」
「…付き合ってる人居るんですか?」
何を聞いてんだ俺…!まだ名前も知らない人に。
女性はクスッと笑って答えた。
「フフッそうね…婚約している方が居るわ。とても素敵な人よ。」
婚約者あり…か。俺にもチャンスがあると期待しちまった。
こんなに綺麗な優しい人を妻にする幸せ者は誰だ?
俺は名前を聞いた。
婚約者は
「朽木白哉様よ。」
俺の恋は、まるで線香花火の様にパッと咲いて消えてしまった。
→後書き
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