青の言葉(20)
□見知らぬ街
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近付くにつれて都会の安っぽい灯りが目立ち始め、
いつもの駅でいつものように降りるけど、
僕はその新幹線のホームでいつも思うの。
「ここ、どこ?」って。
この街には腐るほど人がいるのに、
その全員に配るだけの幸せは圧倒的に足りなくて、
だから悲しい話を勝手に幸せな結末に書き換えて、
自分はよく頑張ったよねってバカみたいな慰めで、
本当の幸せを奪いに行く準備をする。
あぁ…本当に他人なんだなって痛感しながら、
この街の誰かで感情の上書きするの。
適当に。