06/19の日記
16:10
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「『 』……」
囁く貴方の声は低く。
甘く蕩ける蜂蜜のように私の脳髄へとしみわたる。
「好きだよ」
そう言って優しく笑う貴方の顔は、私を何処までも深く暗い穴の奥深くまでつき落とす。
「だから、一緒に堕ちてくれるよね?」
私は、こくん、と一つ頷いた。
何故ならばそれは疑問形であって、断定形だから。
聞いているのでは無くて、確認の意。
確認ですらない。私の了承すら必要としない。
堕ちるの意味すら分からない、そんな中。だから私は頷いて、それに応えるしか術が無かった。
私にとって、この人は、反論すら許されない、絶対の領域だから。
クスリ、と微笑みを浮かべる貴方。
私に向けて手を差し伸べる。私はその手を取って足を一歩、踏み出した。
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