灰色蒼恋歌

□黒と白と灰色と。-9-
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マテールの件が終わってから、ボクは任務に就く事になった。

もちろん、ボクから望んだことではないのだが、仕方があるまいと思う。

アレンについて行こうかと思ったんだけど、神田が任務任務うるさかったからだ。

こんなことなら、あの後神田にコムイさんがなんて言ってたか聞く前に逃げてしまえばよかったよね!

でも、神田がボクのことを無視しなかったことにまず感謝すべきかもしれない。


『コムリンU…見たかったのにな〜』


ごめんなさい、少し嘘です。ごたごたは嫌いなんだよ。


――ていうか、こんなに新人のボクまで駆り出さないといけないほどあそこって人手不足なのかな……。

なーんて思ったり。



寂しい事に、現在ボクは一人でどこぞの町の中を歩いている。

任務の場所が意外と、マテールの場所から近かったから。





任務の内容はまぁ、心配はいらないだろうけど…
とりあえず、ファインダーさんの護衛も兼ねてイノセンス回収を手伝って欲しい――。

みたいな感じだったような。

……うん! 行けば分かるよ。きっとね。


――ささっと終わらせて、帰ってしまおう。


どうせ、ボクに出来ることなど限られているだろうしね。


……任務とか、だるいしサボってしまおうか。

もともと、ボクは周りを掻きまわすのを目的として、そしてその後に、ひたすらに傍観すをるのを楽しんでいるのだけど。
これでは、目的から逸れてしまう。

でも、遅かれ早かれ、こうなることくらい、予想できなかったわけではないかもしれない。

危険は一応ないということだったしね…。

と言うかアクマが蔓延(はびこ)っているこの世界の中で平和とかあるのかな。


『………この先、だったっけな』

「お嬢さん、一緒にお茶でもいかがですか?」


――ん?

何か聞えちゃいけない声が聞えたよ。

いやいあ、げんちょーだよ。きっと。


 
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