灰色蒼恋歌
□魔女の棲む村:下-4-
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神田は、ボクの発言の真意を問い詰めてきてうるさい。
まぁ、そちらに意識が向いている内は先ほどの事も聞かれずにすむだろう。
――秘密というものは、隠し通さなければならないのだから。
これからを過ごすにあたって、ボクにとっては重要事項だから。
ボクは、神田を引っ張りながら雑貨店の近くに戻りゴズさんが落としているであろうゼリービーンズの有無を確認した。
―――ビンゴ。
やはり、ゴズさんは連れさらわれたらしい。
そこには、色とりどりのゼリービーンズがある一定の間隔を刻んで落ちていた。
神田がボクが居ないのに気づいて追ってくるのは、予定外だった。
一時はどうなるかと思ったが、無事に敵さんも動いてくれたようだ。
―――ゴズさんには、悪いけどボクもある程度原作通りじゃないと展開が読めないからね。
「おい、このゼリービーンズ」
『神田にしては気づくの早かったね。
ヘンゼルとグレーテルみたいだよね〜。自分が帰るための道しるべ』
「馬鹿にしてんのか?」
『そういうことです』
むっとした顔をしたものの、ボクに対してため息をつくだけの神田。
神田は、もう気づいているでしょう?
中にあるはずの、ゴズさんの気配と店主の気配が消えている事に……。
「じゃあ、これはあいつが…」
『そういうこと。
さぁ、助けにいこうか。ゴズさんを』
ボク達は、いざ、ゴズさんを救出にゼリービーンズを辿り始めた。