4leaf clover

□one leaf 2
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―――かくして会議が始まったのだが、なにしろ普段から親交が深い面子だったのでグダグダ脱線しながら進んだ。

中でも一番厄介だったのはやはり桜井。
女子がいるにも関わらず(いつものことだが)俺に向かってこないだ見た無修正動画がどうのこうのという話を振ってきたので、俺まで白い目を向けられた。
まあ、桜井は当然夕夏にシバかれたのだが。



いろいろあったが、1時間ほどの話し合いの末役割分担は決まった。

あとはそれぞれが知り合いでも助っ人に呼んで準備を進めようということに。


総指揮と会計は夕夏が担当。
一応委員長だし、しっかり者だから適任と言える。

当日出す料理は、愛美ちゃんの担当になった。
彼女自身調理部だし、調理部の寮生に手伝わせることも容易だろう。ここもすんなりと決まった。

会場となる談話室の飾りつけは、稲森さんが担当。
大道具なんかも扱う仕事だが、稲森さんにはファンクラブなるものがいる。
稲森さんのお願いなら奴らはなんでもやるだろうという夕夏の見解でそう決まった。

先輩たちへのプレゼントは、黒田の担当になった。
こいつも人脈が広いから、先輩一人ひとりが喜びそうな物なんかも聞き出せるだろうとのことだった。

当日の出し物やイベントの担当は桜井。
俺としてはこれが一番心配なのだが…。
容赦ない色物系罰ゲーム付きのゲームなんかを用意しないだろうかとも思ったが、夕夏の監視下での準備だから大丈夫だろう……たぶん。



「…よし!これで全部決まりね!」


夕夏が打合せ用のノートをパタンと閉じながらにっこり笑った。
周りのみんなも大して真面目にはやってなかったのに大げさに伸びなんかをしている。



……って…!

「ちょっと待った!俺は?」

「「「「「………?」」」」」

みんながぽかんと俺を見る。
夕夏がもう一度ノートを確認する。

「あらっ…本当だ」

「若林先輩まだ無職だっけ?ですか?」

「やれやれ…ワカを忘れるとはうかつだったな」

「「………!(思い出したようにハッとする)」」



おいおい!
まさかこいつら全員素で忘れてたとかか?


「まー無理もないわね」

「……は?」

「だってワカ、これといった取り柄がないから」

「……ひどい…」

夕夏の言葉が突き刺さる。


「でも本当にどうしましょう。もう係全部埋まっちゃったし…」

「じゃあ、桜井さんの料理をメインとデザートに分けるのとかどう?ですか?」

「それは駄目よー!あいつどんな失敗しでかすかわからないんだから。
愛美ちゃんにそのまま任せたほうが確実よ」


うう…黒田のへたくそな敬語を注意する気力もない。


すっかり撃沈した俺の目の前に、紙が突き出された。

顔を上げると、稲森さんが控えめに手を上げてみんなを見渡しながらはにかんでいた。


≪私の仕事、人手が足りないかもしれないから
もしよかったら、若林先輩に手伝ってほしいです≫



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