●GSに沈む●

□転校生頑張る!!
1ページ/9ページ



なんで…こんな事に…

■□■□■□■□■□■□■□■□

石…配線…赤色灯…
広花の目に飛び込むのは、目まぐるしく動く人、人、人

『え〜と………なんで…こんな事に…』
広花の思考は、カタツムリが反応する速度で動いている
頭が回らない…まてまて…今朝はさわやかに出て行ったはずなのに…

7時間前__________________

ピートと唐巣に見送られて、広花は『小学生が遠足を楽しみで小走りになる』アノ感じで初の登校をウキウキと出て行った

学校の近くのバス停を降りると、同じ制服の人が多くなる
広花は、初登校だと気づかれないか、ドキドキしている
いつもの揺れているポニーテールも、少しおさえ気味だ

【学園ウロボロス】

校門には、自分の尾っぽを加えて円を画いている竜が学園名と一緒に掘られている
校章もコレと同じものをモチーフにしたのだろう

これから広花が通う高校だ

『うあぁ…なんか、豪華な感じが…大丈夫なのかな、あたし』

聞きやすそうな女子生徒を掴まえて、職員室の場所を聞き、迷路の様な廊下を先生と歩き、クラスのドアの前まで辿り着く

落ち着け、落ち着けあたし…大丈夫大丈夫大丈夫
すごくドキドキする、さっきまでのワクワクとは違う胸の動機

もし、ココに、祖母が居たら「シャキッとせんか!」と叱り飛ばされそうだ

「海野さん、じゃぁ、入りますね?」
黄色の縁の眼鏡をした、華奢な女性教師が広花に声を掛ける
『うわっ…あ、はいっ!!!大丈夫です!多分!』

真っ白なドアに金色のドアノブ、ヨーロッパで良く見かける細工がしてある
2、3センチ…開いたドアの向こうは白い机が並んでいて、チラチラッと生徒の姿が見えた。

ザワザワっと、葉っぱが重なる様に、小さな話し声が重なる

「はい、皆さん静かにしてね?転校生を紹介します。今日からクラスメイトになる、海野広花さんです。」

葉っぱの重なりが、より多くなった

ごくり______

つばを飲む音も聞こえないだろう

「海野さん、ちょっとした自己紹介を、お願い出来ますか?」
ぴくっと、広花の肩が上下した
『は、はいぃ! …えっと……海野、、広花で、です!』
なんで、噛むかな!自分!
訳あって、お婆ちゃんに追い出されたので、こちらに転校する事になりました…
とか言えない…はうぅ
『えと…その、なんというか…えーと、うーん…あのぉ…‥‥宜しくお願いします。頑張ります!多分!って、いや、なにを頑張るの!?いや、学校生活を頑張るんだけど…えーと…』
「はい、じゃぁ、そこの席に座ってね?」
つっこみなし!?落ち着け自分!と、何事も無かったかの様に、促された席に座る

クラスメイト達は、興味津々に広花を見ていたが、本人は恥ずかしくて、ソレどころではなかった。





.



次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ