*短編*
□呼ばせて
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「いらっしゃいませ」
私は店員で貴方は客
時々テレビや新聞で
真選組の一番隊隊長の
やりすぎな捕まえ方
報道されてたから
なんとなくは知ってた
間近で見た貴方は
かっこよくてびっくりした
「オイ、姉ちゃん聞いてんのか
団子二つ、トッピングはマヨネーズとタバスコで頼みまさァ」
「あっ すみません…団子…」
「何俺に見惚れてんでィ(ニヤ」
「!?/////」
べちゃっ
本心を見抜かれたのが
恥ずかしくて
しかも急にそんな事
言ってくるから動揺して
団子を床に落としてしまった
「すっすみません…!!服汚れてませんか?///」
「冗談のつもりだったんでィ
…図星だったとは驚きでさァ」
「な…なな何の……///」
「ちょっと来なせェ」
私の腕を引っ張って
早足で店から出る彼
「はい!?私…ぁの……っ仕事///」
「俺も仕事中でさァ」
「じゃ…じゃあっ///」
乱暴に抱き寄せられて
視界もままならない
どこに連れて行かれるのか
分からないけど
ふんわりと香るこの香り
あぁ、これがこの人の香り
段々ぼんやりしてきた
「普通の部屋頼みまさァ」
部屋?
ガチャとドアの開く音がして
腕から解放されたかと思えば
壁に押さえつけられた
整ったかわいい顔が
上目遣いで私を見る
「アンタ、名前は何でィ
俺の事ァ沖田って呼びなせェ
今からの付き合いよろしく頼みまさァ」