Lies and Truth


□Truth-30
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「………ん、」



寝てた

此処は?ああ銀時の家か

ソファーってなんで

こんなによく眠れるんだろ



「………おはよ」


「あ、おはよってあれ?」


「何?」


「もうお昼?」


「まあな、」


「………あ、そう」



さすがにちょっと寝すぎたか、

頭が重たい

また寝てしまおうかなんて

考えても

結局寝れないんだろうな



「飯食いに行く?てか奢って」


「買って来ようか?」


「いやいい、パフェ食いたい」


「はいはい、じゃあ行きましょか」


「え?まじでいいの?」


「……奢って言ったの銀時じゃん」


「ありがとな」



ポン、と頭に手を置かれる

微かなぬくもりと

貴方の顔は見えないけれど


その刹那が

永遠になれば良いのに


この瞬間が

一生続けば良いのに


今の一瞬が

止まれば良いのに





「………カノン?」


「え?」


「また虚ろってか魂抜けたみたいな顔してたぜ?何考えてんの?」


「………銀時みたいな鈍感には分かんないような女心」


「女心?そんなのお前にあんの?」


「…失礼な、」


「ほら、出かける前に巻くぞ」



真っ白な包帯差し出して

ああ、そっか

傷隠さなきゃ



「顔はどうする?」


「……絆創膏でいいよ」


「はいはい」


「…ありがと、」



傷はそんなに痛くない

ただ、優しさに痛むだけ
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