Lies and Truth


□Truth-26
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もう振り向かずに飛び出した

神威に名前を呼ばれた気がする

けどもう

ごめんね神威

もう終わりにしよう


かぶき町なのは確かなはず


………いや…

なんか違う

……え?


色っぽいネオン

華やかな雰囲気

寄り添うは男女

このカンジは

まさか



「……………吉原」



久しぶりに訪れたような

そんな懐かしい感覚


ここで出逢ってしまったのか


私と銀時

そして

私と神威


あれ?でも銀時とは

別の場所で出逢ったのかな?

あぁ、思い出せないや

呆れたような笑みしか出ない





「……ぁ」



一際目立つ人が居る

ただ歩いてるだけなのに

私なんて冴えない

遊女達のきらびやかな姿に

紛れて消えてしまいそうな

それだけの存在


ただでさえ

心もボロボロなのに

どうして気づくの

どうして目が合うの



「済まねェな、先約が居たのを思い出した」



隣を歩いた遊女にそう話しかける

妖しく微笑んだその顔

嫉妬の目で私を見る遊女

逃げたいしたいよこんな所



「……お嬢さん、
今宵は俺と共に過ごしちゃくれねェか」



策士

策士だよホント


何この断れないカンジ

またそうやって流される

また自分が少し嫌いになる



「わっちで良ければどうか朝まで」
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