*短編*


□C.S.
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「帰るか、…」



日付が変わった事を知らせる時計

12を指した時計

規則的に動いて

また彼との時間に

終わりを告げる



「待って、今日だけは」



そんな言葉吐いたって

貴方は躊躇いもしないで



「この関係が丁度良いんだろ
いい加減分かれよ」



服を着ながらそう言った

待ってよ待って

明日の約束もしてないよ



「あ…、貴方はそれで良いの?
満足なの…………?」



何を期待したって無駄なの

分かってるのに

そんな分かりきってること


認めたくないんだよ

心が痛いから

どうか紡いで

傷だらけのこの心を

貴方で癒して





「…………めんどくせェ女…」


「…ふふっ、……冗談だよ?
私も満足してるからさ
また明日…今日?まぁ、またね」


「…あぁ、じゃあな」



綺麗とは程遠い言葉の嘘

貴方との関係自体

綺麗なんて呼べない代物


自業自得だよ

そうだよ

心なんて痛くない

痛くないよこんなの


貴方の後ろ姿が消えた

瞬間景色が滲んだの


そうだねきっと

貴方に幻想抱いてる

私が悪いんだね

諦めてよ自分

諦めてよ

現状で満足してよ

あぁ、ずっと一緒に居たい



まだ滲む景色は

もう忘れることにして

ひたすら貴方を

ただ待ってる
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