*短編*


□気付いてよ
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「ホントなんなの…」


「そりゃ俺がモテるんだからしょうがねェだろィ」


「意味分かんないなんなの大体!!
こっちはさ、必死なのに…っ」


「アンタの事なんか知ったこっちゃねェんでさァ」


「はいはいそうですね!!
もう知らない!!お幸せに!!
じゃあね…っ」



だめだ

だめだ


こんなこというつもりじゃない

意識し始めたらだめだ

余計な深読みまでしてしまう


もうやだ

もうやだ

なんでこんな

吐き出した言葉を

呑み込んでしまえたら

またやり直せたらいいのに



「幸せなんて皆無なんですがねィ」


「か……っ
彼女でも作ればいいじゃん…!!」


「…………」



ああやってしまった

一番言っちゃだめだ

恨みます自分

演技で済ませれたら

終わればいいよもう


なんなのこの沈黙


もうホントやだよ



「ご……ごめんなさい
ぃ、今のは!!ただ…っ!!」



ああ泣きたい

こんなに臆病だったなんて

こんな感覚久しぶりすぎて


やだよやだよ

彼女なんて作んないで

他の女の子とも仲良くしないで

お願いだから

私だけにその笑顔頂戴よ

誰にも渡したくないよ



気付いてよ大好きだよ

それだけ言いたいのに

ただそれだけ言いたい







………なんで言えないの、?



「……ホント、ごめん…っ!!」



また逃げた

逃げるのは得意

明日こそ、

頑張りたいな…
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