*短編*


□幼なじみと初恋
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今、

迫られてる状態の私は

久しぶりに見た

幼なじみの

真っ直ぐな瞳が

まだ好きだった事に

気づかされてしまった





「アンタと話すの…久しぶりでィ」



同じ高校に行ったけど

同じクラスになったけど

話す機会は全くなかった

そもそも

話す必要がなかったね



私は壁と背中合わせ

目の前の彼は

壁に手をついている


遠くから見たら

キス寸前みたいに

見えるかなぁ…



「何考えてんでィ」



不機嫌そうな声

そんな声も久しぶり



「懐かしいね、沖田」


「まだ名字で呼ぶってか」


「名前で呼び合う仲じゃないよ…」


「分かってまさァ」


「ね、なんで私と話す気に?」



期待してる自分

したって意味ないのに



「それァ……


「総悟っ」



私じゃない

女子の声が聞こえた

甘ったるい猫なで声












何なの、

邪魔しないでよ


そう言える立場だったら

良かったのに


幼なじみなんてそんなもの


向こうからしたら

私の方こそ邪魔で、


あぁ、私の初恋

やっと終わった



出来ればもうちょっと

甘い恋が良かったな

(終わって欲しくなかったけど)
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