*短編*


□返事
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「ゲホッゴホッ…」



首をさする

嘘だ、こんなの


こんなの貴方じゃない


掴まれてた感触が

消えない

今も掴まれているかのようで

気分が悪い





「どうした?彩乃」


「十四郎こそ…」


「テメェまた万事屋の野郎と一緒に居ただろ?
……気にくわねェ」


「…今更何言ってるの?
私が…銀さんと付き合ってるの
知ってるでしょ?


一緒に居るなんて当たり前じゃん







その言葉を最後まで聞かずに


貴方はもう一度

私の首を両手で掴んだ




「とうし、ろっ…!!」


「俺の女になれよ」


「……ッ」


「ならねェなら…このまま……」



段々と強くなる握力



「…た……すけ、て」


「あ?」



涙が頬に流れた


こんな時にでも

思うのは

大好きなあの人





「……ぎ…ん、さ


「こんなになっても、まだアイツを求めてんのか」



冷たい声

優しい貴方は何処?






「なァ、アイツなんかより
俺の方がいいだろ?

…返事しろよ、彩乃」














…end?
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