*短編*
□愛しい彼
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静寂な空間で
カチャ、と
刀を持つ音がした
「………総、悟?」
目の前には
彼が居る
愛しい愛しい彼が居る
様子がおかしいのは
前からの事
「まだ、足りないの?」
「彩乃はホントに…」
「何を、言いたいの?」
私が買ってきた
大量のマヨネーズを見て
冷たい目線
「アイツの事が好きなんですねィ」
「…え?」
「どうしてアイツなんかの為に…」
「違うって!!…これは土方さんに頼まれてッ!!」
「アイツの言う事は聞くってか?
俺の言う事は聞かねェで」
「だって!!総悟の言う事…無茶な事ばっかりじゃん」
「そうですかィ、分かりやした」
一歩ずつ
ゆっくりと近づいて来る
こういう結末が待っているなら
私は
土方さんの言う事なんて
絶対聞かなかったのに