*短編*
□恋わずらい
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「もう、いいでしょう?」
「黙れ」
繋がれた鎖のせいで
ここから逃げれない
少し動くたび
じゃら、と
現実なんだと知らせる
聞きたくもない音が響く
「始末なら、早く」
「ちげェよ」
何が?
どうしてまだ生かしておくの?
貴方になら
全て奪われても構わないから
はやく殺して
「……なァ」
恋ってのは
替えの無い代物
俺はお前を
どう愛せばいい
どう愛せば
お前は俺を見る
恋わずらい
お互い、想っているのに
叶わないモノだと錯覚した
そのまま終わりを迎えるの?
それともいつか気づけるの?