家族だって言って、

□1日目
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「…で、ここは…まあ主人公がどう思ったから後々そういう行動に出るのか、
ってのが問題ってとこだろなー、
はい各自考えてー、5分なー」



つまんない授業だな

ぼんやりしながら

校庭眺めてたのに

ふと教卓の方見たら

ばっちり目が合った


ふい、とそらされた

そっか

私昨日言ったんだっけ

断ってくれても

……良かったのに


今日行けば良いのかな

良いよね、家族なんだし

なんて素敵な響きなんだろ

お父さん、て……呼べるかな


バイト早く終わるかな

終わらせてくれないかな

昨日は何故か楽しみで

あんまり眠れなかった

………寝よ、





























「……宮瀬ー、起きろ」


「……はい、」


「返事するなら起きろー
坂田先生が自ら起こしに来てんだから有難く起きやがれ」



ゆさゆさと揺らしてくるから

仕方なく顔を上げた



「顔洗ってくるかー?目ェ覚めるぞ」


「…いいです」


「もう寝んなよ、」



ぱこっと頭の上に

生徒名簿が落ちた

また、だ

生徒でしかない扱い

うん、別に

まだ大丈夫

きっと家族になれる

ただ私は、家族になりたいんだよ

ねえ、先生

国語の授業するくらいなんだから

私の気持ちも分かって、
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