短編
□おそろい
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「はっじめくーん♪」
上機嫌に彼の部屋の障子を勢いよく空ける。
彼は文机に向かって書類をかたづけていた。
真面目だなぁ。
私も見習わないとw
「・・・なんだ。」
そっけなく、眉を歪ませこちらをじっと見る。
睨まれてる?
まあ、いつものことか。
私は彼の睨みを綺麗に流し、本題へ入る。
「見てみて、この結い方♪」
「・・・?」
私の発言に全くもって理解できないという風に首をかしげる一君。
「一君と、おそろい♪」
「っ!!////」
その言葉に一瞬目を見開いて顔をそらすが、耳まで赤くなっているのがすぐ分った。
「はっじめくーん♪どうしたの?」
「南奈・・・」
「なあに?」
「逆だ。」
「ええええええ!」
よく見比べると、確かに逆だった。
私は急いで直し、「これでおそろい♪」と見せびらかす。
それに対し、一君は再び顔を赤らめた。
いつでも、貴方と一緒で在りたいから・・・。
end