薄桜鬼

□いたずら完了
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「みんな〜
みんな、みんなぁ〜!!!」




廊下をバタバタと走ると
すぐそばの部屋から背の高いイケメン@が出てくる。




「祥!!
うるせぇ、仕事中なんだぞ!!
静かにしやがれ!!」

「――…!!」




土方さん……と呟くと足を止める。


そこみは眉間におおいに皺を寄せている土方さん。




(あぁ……
そのままの顔だったらいいのに……!!)




そんな勘違いをしている祥。




「すみません、
以後気をつけます!!」




そう言って勢いよく頭を下げて、
走りだそうとする。




「あっ、待ちやがれこの野郎……って、
逃げねぇのか??」




祥は片足を上げたまま固まっている。




そして、にぱっと笑ってそのままくるりと向きを変えて土方を見ると
叫んだ。




「土方さん。

trick or treet!!
お菓子をくれなきゃいたずらしますよ!!」

「は??」




勿論、ハロウィンなんて知らない土方。


いきなり言われた言葉よりも、
前に少し外人に会ったときに聞いた言葉を祥が話していることに興味しんしんである。




「なんだお前。
バテレンの言葉を話せるのか!?」

「はぃ??バテレン??
trick or treetは英語ですよ??」

「なんだそりゃ。」




珍しく本気で感心している事に、
悪い気はしないが
本題からずれている。




「土方さん、お菓子下さい!!

お・か・し!!
いたずらしますよ!?」




本題に戻さなくてはと、
思いっきり叫ぶ。




「はぁ??
菓子なんか今持ってねぇよ。」

「……そうですか。」




下を見、
キラーンと目を輝かせる祥。


すぐに上を向いて、
訝しげに見ている土方さんを廊下で足を払い押し倒す。


不意打ちになすすべものく倒れる土方。




「それじゃあ、いたずらしますね!!」




そう言い、土方の上に馬乗りになる。




「〜っ!!
何しやがる!!」

「え〜だってぇー
土方さんがお菓子くれないんですもん☆」

「割り切ってんじゃねぇよ!!
どけ!!」

「嫌です!!
いたずらしますからね〜♪」




腕を伸ばして白い髪結い紐に手を伸ばす。


紐を引くと、
しゅるりとひもが解けて真っ黒の髪がさらさらと落ちる。




「いたずら成功!!」




そしてまた廊下をバタバタと
走って行った。





後ろから聞こえてくる怒鳴り声はきっと気のせいだろう。




(次は誰にしようかな〜w)



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