ガゼット
□雨の出逢い
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ゆ「雨なのに…買い出し…。」
買い出しに行くじゃんけんで見事に負けた僕は雨の中用事を済ませて戻る途中。
ゆ「大体こういうのはっくんの担当じゃん。」
一人で文句を言いながら歩いて行く。
レコスタの近くの小さな公園の前
不意に目をやると行くときには見なかった女の子がいた。
ゆ「何してんだろ?」
女の子は傘もささずにブランコをこいでいた。
少し気になったもののそのまま通り過ぎようとしたとき…
微かに耳に届いたメロディー。
それは僕がよく知るものだった。
「ただ一人鋼鉄の涙を〜♪」
気づけば女の子に傘を差しだし話しかけていた。
ゆ「好きなの?」
「…?」
ゆ「唄ってた曲。」
「…きらい。」
はっきりそう言った女の子。
少し悲しくなって謝った。
「え!?…貴方が謝ることじゃ…」
女の子の声を遮るように着信音がなった。
かけてきた相手はしゅーちゃんだった。
ゆ「その傘使って!!…僕もう戻るから。」
「え?…ちょっと…」
女の子が何か云っていたけど
気にせずに走って戻った。
はっきり聞こえたのは”ありがと”の言葉だけだった。
ゆ「不思議な仔。」(クス)
雨の日に出逢った女の子。
再会するのはもう少し先の話。
end.