炎真君とツナちゃんでプリキュアパロ。
白馬はただの賑やかしです。













「と、いう訳で今日からお前の相棒になる炎真だ」
「よろしく」
「いやいやどういう訳だよ意味わかんないよリボ−ン!炎真君もよろしくじゃないでしょーー!」
「うるせーぞ。ダメキュアは二人いねーと様になんねーだろーがアホツナ」
「ダメキュア!?ダメキュアって何!?まさかそれオレのこと言ってんの!?」
「…チッ、もう何でもいいからさっさと行きやがれ」
「ぎゃあああああ!」


こうして、ダメでキュアキュアな二人組。
名付けてダメキュア!な二人の前途多難な戦いが始まったのである。


「うわあああ恥ずかしいよおお!何この衣装!ありえないだろーー!」

リボーンに無理やり着させられた衣装を身に着けた綱吉が、恥ずかしさのあまり絶叫した。
それは、リボンやレースなんかがたくさん付けられた、明らかに女子用な真っ白の可愛い衣装。
下は一応ズボンであるのものの、履いたこともない短さの所謂ホットパンツというやつだった。

「炎真君もこんな格好させられて恥ずかしいよね!?ねぇ、もうやめて帰っちゃおうよ…」

頑張ってズボンの丈を伸ばしながら、綱吉がチラリと隣の炎真を見る。
炎真の衣装も綱吉とほぼ同じデザインの、真っ黒なもの。
ただ、綱吉とは違ってヘソ出し仕様となっている。

「でも、似合ってる」
「な…!う、嬉しくないよ!そ、それなら炎真君のが似合ってるし!」
「…ありがと。でも、お腹寒いよ」
(ああもうっ!炎真君はどっかずれてるよーー!)

お腹が出ているところ以外に、特に文句はないらしい。
お腹を摩りながらも、脱ぎたそうな様子は見受けられない。
何でそんなに馴染んじゃってるんだよ!と思いながらも、そう返されると何となく一人で脱ぐ訳にもいかなかった。

「それにしてもリボーンの奴、敵を倒せとか言ってたけどこの世界に敵なんて…
「ビャックランラーン♪世界と綱吉君の征服を企む僕白蘭の登場だよー♪」
「うわあああ言ってる傍から面倒なの来ちゃったあああああ!」

目の前に現れたのは、若干予想の付いていた白蘭だった。
しかも普通に歩いて登場するというこの緊張感のなさ。

「…ん?ちょっと、君ダレ?僕知らないんだけど」

綱吉の可愛い衣装を眺めつつ、どんな風に剥いでやろうかとニヤニヤしていた白蘭の表情を変えたのは、綱吉の後ろに隠れている、見たことのない存在だった。

(しまったー!白蘭は炎真君のこと知らないんだー!)
「…キュアシモンの古里炎真。キュアボンゴレの相棒」
(ちょ、余計なこと言わなくていいよ炎真くんーーー!)
「あ・い・ぼ・う?」

綱吉の嫌な予感は的中して、あからさまに白蘭の雰囲気の雲行きが怪しくなる。
この微笑は、計り知れない苛立ちを隠している微笑。

「フフ、僕そんなこと聞いてなかったなぁ。…どういうこと?綱吉クン」
「いやっ、オレも初耳っていうかどうと言われましても…」
「何でいきなり現れた知らない子がそんな美味しい立ち場なわけ?それならキュアミルフィオーレでも良かったんじゃないの?」

それはよくねーーよ!
と綱吉が心の中でツッコんだのと同時。

「…それは気持ち悪いと思う」
「ちょおおお何言ってんの炎真君ーー!?」

よりにもよって、そんな白蘭の神経を逆撫でするようなことを。
どうしてそんな面倒くさいことを!
なんて思ってる間に白蘭の怒りが爆発していた。
白蘭は綱吉以外への怒りの沸点が異常に低いのだ!

「アハハハッ!いい度胸してるじゃない。…誰だかしらないけど、君むかつくから消しちゃお」
「や、やめろ白蘭ーーーー!」

もうハイパー化してどうにかするしかない!と覚悟を決めた瞬間。
ビタン!と白蘭の頬に思い切り何かが投げつけられて、白蘭の首が綺麗に90°曲がっていた。

「…こ、これは…」


白蘭の頬にしがみついてる、どうみても亀。


「待たせたなツナ!このオレ跳ね馬仮面が助けにきたぜ!」
「いやもうそれ仮面の意味なさすぎますディーノさん!」

一応仮面をしているものの、誰がどう見てもディーノだった。
しかし本人は至って真面目なようだ。

「しかもそれだと…番組が変わっちゃいますよディーノさん!」
「な、なんだと…!?」
「アハハハ!ざまぁみろ跳ね馬!君の居場所はここにはないんだよ!」

亀改めてエンツィオをほっぺにひっつけたまま、白蘭が高らかに笑う。
そうなのだ。
プリキュア、もといダメキュアにはお助けキャラの存在が許されていないのだ!
それが許されているのは、某セーラー服美少女戦士達の方なのだ。

「うるせー!とにかくオレは、ツナのために今日こそお前を殺す!」
「アハハ、丁度いいじゃない。君もここで消してあげるの。僕とツナちゃんの素敵な未来のためにね♪」

こうして、今日も二人の果てしない死闘が始まる。
当のダメキュア・キュアボンゴレを無視して。


「…今のうちに逃げよう」
「えっ!?あ、う、うん!」

呆然とそんな二人を眺めていた綱吉が、服の裾をツンツンと炎真に引っ張られて我に帰る。
二人はそのまま、静かにこの空間から抜け出した。

「まさか白蘭にあんなこと言うなんて、オレビックリしたよ。炎真君って意外と毒舌なんだね」
「…だって、比べたら気持ち悪いと思ったから。思ったこと言っただけ」
「え?」

炎真の紅の瞳に、じっと、見つめられる。
綱吉の鼓動が高鳴った。
炎真の指がすっと伸ばされて、思わずビクンと体が跳ねてしまう。
その指は優しく綱吉の胸元のリボンを直して、口元には柔らかな笑み。

「…よく似合ってる。可愛い」
「っ、」
「本当に。すごく、可愛いと思う」

何て返していいのか、解らなかった。
ただ、顔が焼けるように熱くなるのを感じる。

「…もっと逃げよう」

包み込むように、炎真にそっと手を握られて。
そのまま、手を引かれる。

一体どこに、なんて。
きっと愚問なんだろうと綱吉は微笑んだ。














炎真君難しいです…!

[TOPへ]
[カスタマイズ]




©フォレストページ