幼稚園に入園したのは年中から。

クラスは昭弘と一緒。
ミズはまだ一個上だったし、ちぃは一個下。

俺の施設から通ったのは
俺の年で四人だったかな。

とにかく、イジメが酷かった――



子供達は親から何か言われてたのだろうか。

クラスで「みんなで一緒に」って時には
必ず施設組は外される。

「だって馬鹿葉(俺の施設の事)の子と関わったらダメってママが…」

そう言われてるのに気付いた時に
母とも永遠のサヨナラをさせられてた。

泣きはしなかった。

ただ…なんとなく将来の不安の方が先に立った。

それでも幼稚園での日々にはストップは利かない。

俺は毎日を精一杯楽しもうとした。

男子達の泥団子戦争にも参加した。
虫捕り、魚釣り、木登り…
何故か男子とばっかり遊んでいた。

そして年長さんになったある日、好きな子が出来た。

彩乃ちゃんって名前だった気がする。
クラスで1番可愛い子。

きっかけは宿泊行事の準備だったかな。
布団の数が足りずに
二人一組に寝ることになって
その時
「一緒に寝てあげなさい、って先生に言われたの!」と言ってくれた彼女。

因みに同窓会で知った話、先生からは実際言われてなくて
自分の意志だったらしい。
元祖ツンデレ?(笑)

それから毎日、彼女を楽しみに幼稚園に通ってた。

彼女は、俺を決して女の子とは見てないようだった。

だから今ではビックリだけど
毎日「結婚しよーう!」って言い合ってたらしい。

今はもちろん音信不通(笑)


そして卒園式と同時に施設を出ることに。

今の家――祖母に引き取られることに。

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