Novel

□二人で。 (グリリン学パロ)
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夕飯を食べ終わり、バイトで疲れきったリンは自分の部屋にたどり着くなりベットに倒れ込んだ。

(あ、風呂・・・。)

は、もう明日の朝でいいと思い、重い瞼をゆっくりと閉じるー・・・

途中になんの予兆もなしに、部屋のドアが開いた。

ドアの隙間からこぼれる明かりが眩しい。

「・・・グリード・・・?」

突然部屋に入ってきたグリードは珍しく何か言いたくても言葉にできない・・・というなんとも歯切れの悪い顔でリンを見ていた。

何だかそれが可愛くってリンは思わず笑みがこぼれてしまった。

それを見るなりグリードは顔を真っ赤にして怒ったような表情になった。

リンが「ごめんごめン」と謝るとまた何か言いたそうな顔した。

リンはふと、グリードの手に枕が握られているのに気付いた。

(あァ、なんだそういう事カ・・・)

理由が分かるとリンはベットの端に寄りスペースをつくり、空いたベットの片方を手で軽く叩いて「こっちおいデ」とグリードを促した。

すると恥ずかしいのか、何も言わず少し俯き加減で静かにリンの布団に潜り込んだ。

こうして二人で寝るのは何年ぶりだろう・・・。

グリードのまだ乾ききっていない髪が冷たくてくすぐったい。

「・・・・・・なぁ、リン。」

いきなり話し掛けられリンはビクッと少し驚いた。

「何?グリード?」

「今日、お前が帰って来るの遅かっただろ?」

天井を見ながら「うン。」と頷く。

「俺、そん時初めてリンが居なくなった。って思ったんだ・・・。」

「でも、俺は帰って来たヨ?」

「あぁ、帰って来た。・・・でももしリンが帰って来なかったら、俺は一人だ。ずっと一人なんだ。」

グリードは腕で顔を覆いながら話す。頬に涙が伝う。

「俺は、嫌だった。リンが居なくて何故か不安で仕方なかったんだ。」

この気持ちは何なのかわからなくて、どうしようもなくて、風呂でも考えてみたけど答えは見つからなくてー・・・

この気持ちはー・・・・・・

「・・・・・・寂しかったんだナ・・・グリード・・・。」

「え・・・・・・・・・?」

リンの言葉にグリードは小さく疑問形の返事をした。

リンの顔を見たその目は見開いてはいるが、何処かぼんやりしていた。

「俺も帰って来たら、グリードが居なくてすごく寂しかっタ。」

返って来ない返事。
冷めたシチュー。
誰も居ない家。

一人。

ー・・・。


「・・・なぁ、グリード。俺達は同じなんじゃないカ?」

「・・・・同じ?」

リンの発言にグリードはキョトンとした顔をした。

「そう、同ジ・・・。俺とグリードは元々一つだったものが二つになって生まれたんダ。だから、一人が居ないと寂しいんじゃないカ・・・?」

だから共に求め合うー・・・

リンはグリードとおでこをくっつけるほど近づき、涙の流れた跡のある頬にそっと手を添え、優しく告げた。

「大丈夫、俺は何処にも行かなイ・・・。」

子守歌のようにー・・・

「だからもう泣かないデ・・・。」

そっとそっと、包みこむー・・・

あぁ、もう・・・・・・。

視界がまどろむ・・・。

「おやすミ・・・グリード・・・。」

駄目だ、まだ、伝えなきゃいけない事が・・・。

「リ・・・リン・・・、」

頭がぼーっとする、体が重いー・・・。

「・・・これ からも、ずっと二人でー・・・。」

「あぁ、ずっと・・・二人デー・・・」


もう限界だー・・・。

全てが眠りに沈む前、



俺の唇に熱い何かがあたったような気がした。



そしてそのまま深い眠りへと、堕ちていったー・・・。






その日の夜は夢を見た。

どんな夢だったかは、覚えていない。

ただ、リンとグリード、二人のいる幸せな夢・・・。

という事だけ確かに心に残っていたー・・・・・・。



これからもずっと二人でー・・・。










end.


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