Novel

□二人で。 (グリリン学パロ)
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タッタッタッー・・・

今日はバイトの仕事がいつもより長引いたため帰りが遅くなってしまった。

早く帰ってご飯が食べたい。というのもあるが、もしかしたらグリードがさみしがってるかもしれない。そう思うと自然と足が速まり、走って家へと向かった。




ダッシュで帰り着いたリンは玄関のカギを開けて、グリードが待っているはずのリビングに駆け込んでいつもの台詞。

「グリードッ!ただイー・・・」

いつもならここで「たっく、うるせーんだよリン!」と、俺に対して文句を言ってから恥ずかしいのかボソッと「おかえり・・・」とギリギリ聞こえるような声で囁くグリードが居るはずだ。

しかし返ってきたのは、
無音。


グリードがいない・・・?

テーブルを見ると冷めたシチューが2皿置いてあった。

(あ・・・、俺が帰って来るのを待っててくれたのカ・・・。)


冷めたシチューの様子を見ると、だいぶ時間が過ぎていたらしい。

(グリードは何処に居るんダ・・・?)

帰って来ればいつもグリードが居て、家で一人なんて事は滅多になかった。

(なんか、不思議なかんじダ・・・。)

グリードがいない。

それだけで・・・・・・。

何故か・・・・・・。

(あァ・・・。わかった・・・。)

この気持ちはー・・・


ガラッ


「「・・・・・・あ。」」


二つの同じ顔が同じように目を見開き、同じように唖然とした声を出す。

違うのは一人は髪を下ろしており、頭にのせたタオルで吸収しきれなかった雫が毛先から何滴もこぼれ落ちている。

「・・・あ、居たのカ・・・。」

先に口を開いたのはリンだった。

「あぁ、お前も帰ってたのか・・・。」

そっけなく返事をしたグリードはテーブルに置いてあったシチューを鍋に戻し、再び温め始めた。
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