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「はじめまして。よろしく願い下げです」



集まる視線を無視して、燕は教室を去った。





今日本日お日柄もよろしく、藍川燕はここ、並盛中学校に編入した。

編入したはいいものの、辟易していた。


――中学生って、こんなに稚拙なモンだったか。

これまで自分の周りにいた“学生”が、大人より大人びた、達観した人間ばかりだったから、余計にそう感じるのかもしれない。


理由はどうあれ、ストレスが溜まる。
ストレスは健康によろしくない。


こういう時は、空を見るに限る。


というわけで、自分の席を確認するどころか、自己紹介すらしないまま教室を飛び出したわけだ。

目指すは空が見える場所。

そして――



「見ぃつけた」



目当ての人物がタイミング良く屋上[空が見える場所]にいたことを確認して、燕はにまりと微笑んだ。












 
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