二次夢小説〜えとたま
□イヌたんとデート
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昼下がりの午後。
タケルはいつものように縁側でお茶をすすっていた。
「ふう。今日も平和だなあ」
そんなジジ臭いことを言いながら空を見上げる。
空は青く澄んでいて雲がゆっくりと流れる。
そんなのどかな時間が風と共に流れる。
「うにゃにゃにゃにゃにゃにゃー」
「アタイのバナナー待てー!」「ボクのおやつー!」
そんなのどかな時間に割って入る三つの声。
「またあの三人か……」
タケルはそういうと頭を下に垂れる。
「今度は何をしているんだ?」
タケルは座っている状態で少し身を乗り出してふすまを開ける。
「にゃにゃ!? タケルー危ないにゃーー!」
ふすまを開けた瞬間、眼前に迫ったのはタケルの家にて絶賛居候中の猫。もとい、修行中のえと娘にゃ〜たんだった。
「うわわ!」
どごっ!
鈍い音を立ててにゃ〜たんとタケルが崩れ落ちる。
その直後のイヌたんキーたんが駆け寄る。
「大丈夫!タケル?」
「タケル! 大丈夫?」
真っ先にタケルの心配をするイヌたんとキーたん。
「大丈夫だよ。ありがとう二人とも」
「にゃあの心配がないのは悲しすぎるにゃ……」
「普段の行いのせいだよにゃ〜たん。とりあえず退こうか」
「アタイのバナナは!」
「そうだボクのボーンは!」
「にゃにゃ? 手に持ってないにゃ」
「バナナと骨? あれじゃない?」
タケルが指した先には、中庭の丁度真ん中に転がっているバナナと骨があった。
お目当てのものを見つけた二人は真っ先に自分が欲していたもの目がけて走った。
「ボクのボーン!」
「アタイのバナナー!」
やっと手にいれることができた二人はすぐにその場でバナナとボーンを口にした。
「ボーン美味しい」
「バナナ美味しい」
ぺろぺろと骨を舐めるイヌたんとバナナをもぐもぐキーたん。そんな光景を見て、タケルはただイヌたんを見る。
思うことはただ一つ。
「イヌたん可愛いな」
ほう。とため息を一つついたタケルであった。