過去拍手小説

□働くOLの裏世界
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「ねぇ、君はこの世界をどう思う?」

「何の面白味も無い普通の世界」

「あはは。歪んでるな〜」

「そうゆうお前こそどうなんだよ?」

「私? 私はね〜まだ面白いことがあると思いたい世界だと思っているよ」

「ふ〜ん。そう」

「でもね、私はこの世界は好きじゃないんだ」

「なんでだ?」

「だって、働かないといけないから」

「ん?」

「働かないといけないから」

「二度も言わんでいい」

「働かないでお金が欲しい!」

「お前さっきまでの雰囲気どうした? ぶち壊してんぞ?」

「うるさーい。私にファンタジーは似合わないのだー!」

「まあ、スーツ着たOLが言うセリフじゃないよな」

「私には片手に缶チューハイ、もう片手におつまみが似合うのです!」

「完璧におっさん」

「うるさい!」

「何だ? ストレスでもあんのか?」

「無い訳ないでしょうが。毎日ストレス三昧よ」

「お前老化早くなるぞ?」

「あんたねぇ、さっきから言わせておけば言いたい放題ね」

「だって言いやすいんだもん」

「人の気持ちを、特に私の気持ちを考えなさい」

「彼氏もいない若さもないおっさんぽいOLお姉さんの気持ちを考えるのは難しいです」

「ガン無視したわねあんた。いいわよ。そんなことを言うお子様には少し痛い目を見ましょう」

「俺もスーツ来て働いてるからお兄さんね」

「んなことどうでもいいわよ。それよりその自称お兄さんは私のお酒を飲めない訳ないわよね?」

「口移しなら」

「え?」

「口移しなら」

「に、二度言わなくていいわよ」

「口移しなら」

「三度も言わないでいい! あんた私のことからかってるでしょ!?」

「さあ?」

「こいつ……」
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