二次夢小説〜けいおん!!

□第二話
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「辞めるって言いに来たんだ……」

律が残念そうに肩を落とす。

あちゃー。残念。

「もっと違う楽器やるんだと思って……」

違う楽器? ていうことは何か別の楽器なら出来るのかな?

「他の楽器なら出来るの?」

「えっと、カスタネ……ハーモニカ!」

今カスタネットって言おうとしたよね? 見栄を張ってるのかな?

「ハーモニカ? ハーモニカなら――」

律が上着のポケットを探る。

「――ここにあるよ。吹いて見せ――」

「ごめんなさい吹けません」

律が言い終わる前に入部希望者(元?)が謝る。

そりゃそうだよね。まさかハーモニカが出てくるなんて思わないもん。

「でもうちの部に入ろうと思ったってことは音楽には興味あるってことよね?」

澪が的確なことを言う。

「他に入りたい部活とかあるの?」

「ううん。特には……」

と、言うことはまだチャンスがあるんじゃないか?

「(律、まだチャンスはあるんじゃないか?)」

律に小声で耳打ちする。

律も同じように耳打ちをしてくる。

「(わかってるって。だから今行動する)」

律が人差し指を立てて入部希望者(元?)に提案する。

「それならさ、一度私たちの演奏聞いてから入部するかどうか判断しない?」

「え? 演奏してくれるの?」

「もちろんいいわよ!」

律が言ってた行動ってこのことか。

「さ、みんな準備しよ〜ぜ」

律がイスから立ち上がりドラムに真っ先に向かう。

演奏準備にいち早く取りかかる。


「よし、じゃあ、澪、紬。準備に取りかかろうぜ」

二人の肩を軽く叩き準備を促す。

「なんだか張り切ってるな拓斗」

澪がベースを持ちながら聞いてくる。

俺もギターを持って返答する。

「そりゃあね。好きなことできる部活だから廃部にさせたくないからね」

「そっか。じゃあ廃部させないよう頑張らないとね」

「ああ、そうだな」
「そこの二人、準備はいいか?」

律がすでにスティックを上に持ちあげてる。

「ああ、準備万端だ」
「こっちも出来てるぜ」

「よし、じゃ、行くぞ。3・2・1!」

その合図で全員楽器を弾く。

ズンチャズンチャズンチャチャズンチャ。

あと残すはクライマックス。

みんなにアイコンタクトを取る。

澪、紬、律の順番でアイコンタクトをする。

みんなアイコンタクトを返してくれて心が通じあってる感じだ。

心を通い合わせクライマックス。

ダダダンダンダンダ―ダン。ダダダン。

律の最後の一叩きで締めくくり。
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